【ヨセフ】① ヨセフをイシュマエル人に売ったのは誰か?【研究者Uの聖書講座】

こんにちは、はてはてマンボウです。

研究者Uさんの聖書講座のシリーズです!

 


 

 

 


 

こんにちは。

ユダヤ教の聖書解釈を専門にしている「研究者U」です。

 

今回は、ヘブライ語聖書(いわゆる「旧約聖書」)の「創世記」における、

 

「ヨセフ」

 

の物語を中心に見ていきましょう。

 

ヨセフの物語

ひいきされるヨセフ、兄たちを煽る

オッタヴィオ・ヴァニニ『ヨセフと兄弟』

 

それでは、今回取り上げる、

 

「ヨセフ」の物語について見ていきます。

 

まずは、聖書に何が書かれているのか見ていきましょう。

 

以下、新共同訳〈創世記第37章》
一般財団法人日本聖書協会HPより(2021年11月28日 閲覧)
〈創世記37:4》
父にひいきされるヨセフに、兄たちは反感を覚える……
  • 兄たちは、父がどの兄弟よりもヨセフをかわいがるのを見て、

ヨセフを憎み、穏やかに話すこともできなかった。

〈創世記37:6-37:8》

ヨセフは兄たちからさらなる反感を買うことに……
  • ヨセフは言った。

「聞いてください。わたしはこんな夢を見ました。

 

  • 畑でわたしたちが束を結わえていると、

いきなりわたしの束が起き上がり、まっすぐに立ったのです。

すると、兄さんたちの束が周りに集まって来て、わたしの束にひれ伏しました。

 

  • 兄たちはヨセフに言った。

「なに、お前が我々の王になるというのか。お前が我々を支配するというのか。」

兄たちは夢とその言葉のために、ヨセフをますます憎んだ。

ヨセフくん……
正直者なのかもわかりませんが、
ちょっとお兄ちゃんたちのこと、煽りすぎマボねえ……。
ただでさえ、お父さんからえこひいきされるのに、

これだとますます反感を買ってしまうマボよ。

実際、兄たちは、ヨセフを殺そうと企むにまで至ります。
ぼぼぼ、なんですと~!?

 

妬まれたヨセフ、穴に落とされる

〈創世記37:18-37:19》

羊の放牧で出かけていた兄たちを、ヨセフが探しにいったとき……

 

  • 兄たちは、はるか遠くの方にヨセフの姿を認めると、

まだ近づいて来ないうちに、ヨセフを殺してしまおうとたくらみ、

 

  • 相談した。「おい、向こうから例の夢見るお方がやって来る。

 

  • さあ、今だ。あれを殺して、穴の一つに投げ込もう

後は、野獣に食われたと言えばよい。

あれの夢がどうなるか、見てやろう。」

〈創世記37:23-37:24》

穴に落とされるヨセフ

 

  •  ヨセフがやって来ると、兄たちはヨセフが着ていた着物、裾の長い晴れ着をはぎ取り、

 

  • 彼を捕らえて、穴に投げ込んだ。その穴は空で水はなかった。
かわいそうなヨセフちゃん……

このあと、いったい、どうなったマボか~?

ヨセフは穴には落とされましたが、命を落とすことはありませんでした。

 

ヨセフは、通りがかった商人へ売られ、エジプトへ連れていかれます。

 

そしてヨセフは、エジプトの宮廷の侍従長・ポティファルの奴隷となります

 

 

アレクサンダー・マクシミリアン・ザイツ『奴隷として売られるヨセフ』

 

この後の展開も気になるマボねえ~、はてはて。
聖書の続きは次回の記事で確認するとして、ここからは、

 

この「穴に落ちる」くだりの、気になるポイント

 

を見ていきましょう。

 

ヨセフは誰に売られたか?

「彼ら」とは誰か?

 

アントニオ・デル・カスティージョ・イ・サベドラ『兄たちに売られるヨセフ』

(プラド美術館、マドリード)

 

さて、今回は、

 

「ヨセフが商人に売られてしまうシーン」

 

に着目します。

 

  • その後、彼らは座って食事をした。

ふと目を上げると、イシュマエル人の隊商がギルアドからやって来るのが見えた。

らくだに樹脂、香油、シスタス香を積んで、エジプトに下って行こうとしていた。

 

  • ユダは兄弟に言った。

「兄弟を殺し、その血を覆い隠したところで、何の得になるというのだ。

 

  • さあ、イシュマエル人に売ってしまおう彼に手をかけてはならない。

彼は我々の兄弟、我々の肉親ではないか。」

兄弟はこれを聞き入れた。

 

  • その時、ミデヤン人の商人たちが通りかかったので、

彼らはヨセフを穴から引き上げ

ヨセフを銀二十シェケルでイシュマエル人に売った。

彼らはヨセフをエジプトへ連れて行った。

 

  • ルベン(※)が穴に戻ってみると、穴の中にヨセフはいなかった。

ルベンは自分の衣服を引き裂き、

 

  • 兄弟のところに戻って言った。

「あの子がいない。私は、この私はどうしたらいいのだ。」

 

※ルベンは兄弟の1人

 

聖書協会共同訳〈創世記37:25-37:30》
(2021年11月28日 閲覧)

 

登場人物が多くて、ややこしいわねえ……。

マンボウちゃんが、このシーンを絵に描いて整理してみるマボよ~。

 

 

さて、ここで何が気になるマボか。
それは、次のシーンです。

 

その時、ミデヤン人の商人たちが通りかかったので、

彼らはヨセフを穴から引き上げ、ヨセフを銀二十シェケルでイシュマエル人に売った。

彼らはヨセフをエジプトへ連れて行った。

 

ここで、ヨセフを穴から引き上げた「彼ら」とは、果たして誰なのか、という点です。
そういえば……はて。
登場人物から、考えられる選択肢は2つ。

 

1つ目は、「ミデヤン人の商人たち」。

 

2つ目は、「ヨセフの兄たち」。

 

では、ヨセフを穴から引き上げイシュマエル人に売った「彼ら」とは誰なのか

 

考察していきましょう。

 

「彼ら」=「ミデヤン人の商人たち」の場合

まず1つ目、

 

「彼ら」=「ミデヤン人の商人たち」

 

の場合を考えてみましょう。

 

 

絵に描いてみたマボけど、

 

穴に落ちているヨセフを見つけた途端、

 

近くの商人にヨセフを売ってしまうミデヤン人……

 

なかなかの鬼畜マボよ……。

この場合、ミデヤン人はその場でイシュマエル人にヨセフを引き渡しています。

 

つまり、ヨセフをエジプトに運んだのは、ヨセフを買ったイシュマエル人であるはずです。

 

しかし、その後の36節では、こんな描写が見られます。

 

あのミデヤン人たちは

ヨセフをエジプトで、ファラオの役人で親衛隊長であったポティファルに売り渡した。

聖書協会共同訳〈創世記37:36》
(2021年11月28日 閲覧)
はて。

 

エジプトで、ミデヤン人が再登場しているマボ

 

しかも、穴に落ちた現場ではなく、エジプトでヨセフを引き渡してます

「彼ら」=「ミデヤン人の商人」説だと、

 

後のシーンとつじつまが合わなくなるようですね。

 

「彼ら」=「ヨセフの兄たち」の場合

では、彼ら、すなわち、ヨセフを穴から引き上げてイシュマエル人に売ったのが、

 

「ヨセフの兄たち」の場合を考えてみましょう。

 

 

絵に描いてみたマボけど……。

 

ミデヤン人が通りがかった描写、聖書に必要マボか?

 

兄弟がイシュマエル人にヨセフを売るところに、

たまたま通りかかってぼーっとしているだけの人たちに見えるマボよ。

 

 

それに、兄弟でヨセフを引き上げて売っているのに、

 

兄弟の1人のルベンは何を驚くことがあるマボかね?

マンボウちゃんの指摘するとおり、

 

致命的な矛盾、とまでは言いませんが、

 

「彼ら」=「ヨセフの兄たち」説でも、

 

どこか違和感があるように思えます。

ひょひょひょ、鋭い指摘のマンボウちゃんマボよ~。
そこで、この違和感を解決するために、

 

「ミデヤン人」≒「イシュマエル人」と考えたら、どうでしょうか。

 

 

つまり、「ミデヤン人とは、イシュマエル人の別名だ」

 

あるいは、「イシュマエル人の商人に一団に、ミデヤン人も含まれていた」

 

という考えです。

なるほど。

 

ちょっと絵を描きなおしてみるマボよ……。

 

これなら、ミデヤン人が砂漠でぼーっとしている問題は解決マボねえ。

 

それに、さっき話題になった36節のシーンも……

 

あのミデヤン人たち

ヨセフをエジプトで、ファラオの役人で親衛隊長であったポティファルに売り渡した。

聖書協会共同訳〈創世記37:36》
(2021年11月28日 閲覧)
「エジプトで、ミデヤン人が再登場しているシーン」問題も、

ミデヤン人≒イシュマエル人だったら、

特におかしくないマボ。

 

兄たちからヨセフを買ったミデヤン人≒イシュマエル人が、

旅先のエジプトで、ヨセフのことを役人に売るという、

自然な流れになるマボよ。

でも、やっぱり、

 

「兄弟の1人であるルベンが、ヨセフがいないのに驚いている問題」

 

は解決されないマボねえ。

まだまだ考察の余地がありそうですね。

 

ここまで、少し細かい話をしましたが、

 

実は、このような細部の描写について考察することが、

 

研究テーマにも発展したりするんですよ。

聖書解釈って、なかなか奥深いわねえ。
さて、次回は、ヨセフの続きの物語を見ていきます。

 

エジプトに連れていかれたヨセフがどうなっていくかを見ていくこととしましょう。

 

まとめ

  • アブラハム(アブラム)⇒イサク⇒ヤコブ(イスラエル)⇒ヨセフと系譜が続いていく
  • 父のヨセフへのひいきが兄の嫉妬を呼び、穴に落とされたヨセフはエジプトへ売られていく
  • エジプトへ売られるヨセフを「誰が売ったのか」の解釈だけでも深堀ができる

 

研究者Uさんの、「聖書」に関する専門講義の続きはこちらをチェックまぼ!

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