【出エジプト記/モーセ】①「エジプト脱出」の物語のプロローグ【研究者Uの聖書講座】

こんにちは、はてはてマンボウです。

 

今回から、研究者の方に専門知識を紹介していただくコーナーです!

ここからは、研究者Uさんの聖書講座を始めていきますマボよ~!

こんにちは。
マンボウちゃんの知合いの、「研究者U」です。

 

ユダヤ教の聖書解釈を主に研究しています。

 

このシリーズでは、

「聖書のストーリーについての意外な一面や、ツッコミどころ」

などを見ていきます。

今回は、あのモーセが出てくる「出エジプト」がテーマですマボよ~はってはて♪

 

出エジプト記とは

「創世記」に続く物語

コジモ・ロッセッリ『紅海の通行』

(システィーナ礼拝堂、ヴァチカン)

 

「出エジプト記」といえば、モーセの活躍で有名です。
モーセ……海を割ってる人マボねえ!

 

今回の「出エジプト記」は「創世記」の続きマボか?

そのとおり。

以前ご紹介した、ヘブライ語聖書の最初の物語「創世記」に続く2番目の書物が、

この「出エジプト記」です。

 

ただし、聖書の編纂者は、

「創世記」⇒「出エジプト記」と、順序良く一連のストーリーを書いたわけではない、

と考えられます。

えーっと、たしか……

「聖書って、いろんな物語が切り貼りされている」

という解説が、前にあったような……。

「聖書は複数の伝承を編纂して生まれた書物ではないか」

と、考えることができるというのは、以前の記事でもお伝えしてきました。

まあ、聖書を編纂した人にも、いろいろ都合があったんでしょうねえ……。
とはいえ、「神話」に近い世界観だった「創世記」に比べ、

「出エジプト記」は「実際の歴史」としての色が濃くなっていきます。

 

「Exodus」……ではなかった?

ニコラ・プッサン『紅海横断』

(ビクトリア国立美術館、メルボルン)

 

ちなみに、「出エジプト記」はギリシャ語で「Exodus」といいます。

 

英語でいうところの「Exit」ですね。

まさに「エジプトを出る話」という意味マボねえ。

それで、「出エジプト記」だと。

ところで、この「出エジプト記」ですが、

実は、もともとの書名は「出エジプト記」ではありませんでした。

なんと!
「創世記」「出エジプト記」といっ各書ですが、元々は、

「最初の方に出てくる単語」

が、そのままタイトルになっていました。

 

たとえば、「出エジプト記」では最初の方に出てくる単語が「名前」だったので、

「出エジプト記」ではなく、「名前」というタイトルとなっていました。

結構、テキトーなネーミングだったんですねえ、はて……。
のちのち、「そんな書名じゃよくわからない」

ということで、「出エジプト記」と名付けられたわけですね。

改名してくれた方々、ご英断マボねえ。

「名前」とかいう意味深なタイトルをつけておいて、伏線回収ゼロだと、

ズコーってなるところだったマボよ。

では、ここからはいよいよ、聖書本文を追っていきましょう。

 

ヨセフの死後のイスラエルの民

エドワード・ポインター『エジプトのイスラエルの民の子孫』

(ギルドホール・アート・ギャラリー、ロンドン)

 

さて、「創世記」のラストでは、

「ヨセフを中心としたイスラエルの民たちが、エジプトに定住する」

ところで物語に幕が下ります。

 

このような幕切れとなったのは、

 

「『創世記』を『出エジプト記』へつなげるためとも考えられる」

 

というのは、以前の記事で触れてきたところです。

「出エジプト記」は、エジプトを脱出する物語なので、

当然、物語の冒頭場面でエジプトにいる必要がある、というわけマボねえ。

こういうわけで、「出エジプト記」の冒頭は、「創世記」からのつながりを意識した書き方となっています。

 

新共同訳〈出エジプト記1:1》
(2022年2月19日 閲覧)

 

ちなみに、ここには、

「……イスラエルの子らの名前は次の……」とありますが、

ヘブライ語の聖書の原文では、この「名前」が最初の方の単語として出てくるので、

「出エジプト記」は「名前」と呼ばれていた、というわけですね。

 

男児殺害命令

新共同訳〈出エジプト記1:7-1:11》
一般財団法人日本聖書協会HPより
(2022年2月19日 閲覧)

 

は、はて~!

「出エジプト記」の冒頭からいきなり、不穏な雰囲気マボよ~!

かつて、エジプトがヨセフのお世話になったことを知らないファラオが即位し、

ヘブライ人には重労働が課されるようになります。

 

しかし、それでもイスラエルの民が増え続けたので、ファラオは、

「ヘブライ人に男児が生まれたら殺せ」

という命令を下しました。

あの~野暮なことを聞くようですが……

 

そもそも子どもを産むのは女性なわけで、

男の子よりも女の子を手にかける方が、ヘブライ人の数は減らせるのでは。

 

はて。

そこは、

「一度戦争が起これば、敵側に付いて我々と戦い、この国を取るかもしれない」

という描写が伏線になっている、とも考えられます。

 

男が増えると、敵になりうるイスラエルの民の戦力も増えてしまいますからね。

 

あとは、身も蓋もないことを言えば、

この後の「モーセの誕生」とその後の展開のためには、

「男児殺害命令」が必要なわけです。

大人の事情マボねえ……
さて、この続きの「モーセの誕生」とその後については、次回の記事で見ていきましょう。

 

まとめ

  • モーセがイスラエルの民を連れてエジプトを出ていくのが「出エジプト記」。ただ、タイトルは後になってつけられた。
  • 「出エジプト記」の冒頭の描写は、「創世記」ラストのヨセフの物語とつながるように意識されている。
  • 「男児殺害命令」は、「モーセの誕生」とその後の原因となっていく。

 

研究者Uさんの、「聖書」に関する専門講義の続きはこちらをチェックまぼ!

 

参考記事

「出エジプト記」の1つ前、「創世記」に関する記事はこちらマボ!

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