【出エジプト記/モーセ】④ 「十の災い」と「過越祭」【研究者Uの聖書講座】

こんにちは、はてはてマンボウです。

研究者Uさんの聖書講座のシリーズです!

 


 

【出エジプト記/モーセ】③ エジプトの「魔術師」との対決【研究者Uの聖書講座】

前回までの記事はこちらをチェックしてくれ~

 


 

こんにちは。

ユダヤ教の聖書解釈を専門にしている「研究者U」です。

 

今回は、ヘブライ語聖書(いわゆる「旧約聖書」)の「出エジプト記」における、

 

「十の災い」

 

を中心に見ていきましょう。

 

エジプトの魔術師たちに、モーセたちは勝てるのか……?

ジェームズ・ティソ『血へと変わる水』

 

前回までのあらすじ……。

イスラエルの民を解放するよう、ファラオを説得しにきたモーセとアロン。

でも、せっかく神の力を見せつけたのに、

ファラオの呼び出した魔術師たちの前では、大して驚いてもらえません、はて……。

神の力による、

「杖を蛇に変える作戦」は、

ファラオに全く響きませんでした

 

そこで神は、頑ななファラオに対し、次々と奇跡を見せつける実力行使に出ます。

おお、やったれやったれマボよお!
神はまず、「血の災い」を見せつけます。

 

 

 

 

新共同訳〈出エジプト記7:10-7:11》
一般財団法人日本聖書協会HPより
(2022年3月18日 閲覧)

 

おお、こりゃあ怖いマボよ。

さすがに、これにはファラオも……。

ところが、エジプトの魔術師たちも同じことをしてしまうので、

ファラオはやっぱり頑なになります。

な、なんじゃそりゃ~。

神、ダメダメまぼよ~。

このあと、神はエジプト中にカエルを発生させ……
発生させ……?
そして、魔術師たちも同じことをします
こりゃあ、もうダメまぼ……。

 

というか、
「エジプト中にカエルを発生させる災い」
って……

 

もうちょっと……こう……他になかったマボか?

 

おや、魔術師たちの様子が……?

さて、お待たせしました。

 

3つ目の災い、

「エジプト中に、虫のブヨを発生させる災い」

を発生させると……。

 

 

 

 

 

新共同訳〈出エジプト記8:12-8:15》
一般財団法人日本聖書協会HPより
(2022年3月18日 閲覧)

 

や、やっと魔術師たちの鼻をあかせたマボ……。

なぜか、ブヨで……。

でも、相変わらず、ファラオは話を聞いてくれなさそうです。

 

テンプレを繰り返す

この後も、聖書中の展開はほぼ同じです。

 

  • モーセとアロンはファラオを訪れて、

「神がおっしゃるには○○の災いが起きる」

「いやならイスラエルの民を開放してほしい」と警告

  • ファラオは聞く耳を持たない

  • 災いが起こり、困ったファラオは、

「イスラエルの民を解放するので、災いを止めてほしい」

と懇願。

  • 災いが去ると、ファラオは再び頑なになる。

(以下、ループ)

 

こんな具合で、9つの災いが繰り返されます。

その一覧はこちら。

 

  1. 血の災い:魔術師たちが真似する
  2. 蛙の災い:魔術師たちが真似する
  3. ブヨの災い:ここからは、魔術師たちも真似できない
  4. アブの災い
  5. 疫病の災い
  6. 腫れ物の災い:魔術師たちも苦しむ
  7. 雹(ひょう)の災い
  8. バッタ(イナゴ)の災い
  9. 暗闇の災い

 

最後の災い

初子の死と「過越」

チャールズ・スプレイグ・ピアース『エジプトの初子の死への哀歌』

(スミソニアン博物館、ワシントンD.C.)

 

9つの災いを繰り返してもファラオは頑ななままでした。

 

そこで、神はいよいよ10番目の災いをもたらします

 

 

 

 

 

 

 

新共同訳〈出エジプト記11:4-11:9》
一般財団法人日本聖書協会HPより
(2022年3月18日 閲覧)

 

当時は「長子相続」の時代であり、家の中で最初に生まれる「初子」はとても大切にされています。

同じように、家畜の初子もとても大事で、神への捧げものも、一番良いとされている初子が選ばれます。

 

しかし、家畜だろうと人間だろうと、そしてファラオだろうと

大切な初子が殺されることとなってしまいました。

はて。

でも、そうすると、大切なイスラエルの民の初子まで死んじゃいますよね。

そこで神は、イスラエルの民へ目印として、

「家の入口に子羊の血を塗っておけば、その家のことは過ぎ越す

と伝えます。

そういえば、「過越祭」って、聞いたことがあるような。

神が通り過ぎたことに由来していたわけマボかあ。

 

そして、ファラオの許しへ

ローレンス・アルマ=タデマ『ファラオの初子の死』

(アムステルダム国立美術館、アムステルダム)

 

この残酷な緊急事態を前にして、

ファラオもさすがに、イスラエルの民が出ていくのを許します

 

 

 

 

 

 

新共同訳〈出エジプト記12:30-12:34》
一般財団法人日本聖書協会HPより
(2022年3月18日 閲覧)

 

そりゃあ、こんな恐ろしいことが起きたら、さっさと出ていってもらいたいマボよねえ。

 

ところで、
「酵母の入っていないパンの練り粉」
が突然出てきましたが、これって何マボか?

ファラオの言葉を受け、イスラエルの民も慌てて出発しなければならなくなりました

 

そこで、酵母で膨らませる余裕もないので、

クラッカーのような「種なしパン」を作ることになった、というわけです。

 

この一連の出来事に由来して、過越祭ではこの種なしパンが食べられるようになった、とも言われています。

さて、イスラエルの民たち、なんとかエジプトを出られたマボねえ。
次回は、「出エジプト」の歴史的な確からしさについて見ていきます。

この続きについては、次回の記事で見ていきましょう。

 

まとめ

  • 10の災いも、最初のうちは、エジプトの魔術師たちに対抗される
  • しかし、次第にエジプトの魔術師たちでも真似できなくなるが、ファラオは依然頑ななまま
  • 最後に「初子の死」が訪れ、ようやくファラオはイスラエルの民を解放する

 

研究者Uさんの、「聖書」に関する専門講義の続きはこちらをチェックまぼ!

 

 

参考記事

出エジプト記

「出エジプト記」に関する記事はこちらマボ!

 

 

創世記

「出エジプト記」の1つ前、「創世記」に関する記事はこちらマボ!
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