研究者Uさんの聖書講座のシリーズです!
【出エジプト記/モーセ】③ エジプトの「魔術師」との対決【研究者Uの聖書講座】
前回までの記事はこちらをチェックしてくれ~
ユダヤ教の聖書解釈を専門にしている「研究者U」です。
今回は、ヘブライ語聖書(いわゆる「旧約聖書」)の「出エジプト記」における、
「十の災い」
を中心に見ていきましょう。
目次
エジプトの魔術師たちに、モーセたちは勝てるのか……?
ジェームズ・ティソ『血へと変わる水』
イスラエルの民を解放するよう、ファラオを説得しにきたモーセとアロン。
でも、せっかく神の力を見せつけたのに、
ファラオの呼び出した魔術師たちの前では、大して驚いてもらえません、はて……。
「杖を蛇に変える作戦」は、
ファラオに全く響きませんでした。
そこで神は、頑ななファラオに対し、次々と奇跡を見せつける実力行使に出ます。
さすがに、これにはファラオも……。
ファラオはやっぱり頑なになります。
神、ダメダメまぼよ~。
というか、
「エジプト中にカエルを発生させる災い」
って……
もうちょっと……こう……他になかったマボか?
おや、魔術師たちの様子が……?
3つ目の災い、
「エジプト中に、虫のブヨを発生させる災い」
を発生させると……。
なぜか、ブヨで……。
でも、相変わらず、ファラオは話を聞いてくれなさそうです。
テンプレを繰り返す
- モーセとアロンはファラオを訪れて、
「神がおっしゃるには○○の災いが起きる」
「いやならイスラエルの民を開放してほしい」と警告
↓
- ファラオは聞く耳を持たない
↓
- 災いが起こり、困ったファラオは、
「イスラエルの民を解放するので、災いを止めてほしい」
と懇願。
↓
↓
- 災いが去ると、ファラオは再び頑なになる。
↓
(以下、ループ)
その一覧はこちら。
- 血の災い:魔術師たちが真似する
- 蛙の災い:魔術師たちが真似する
- ブヨの災い:ここからは、魔術師たちも真似できない
- アブの災い
- 疫病の災い
- 腫れ物の災い:魔術師たちも苦しむ
- 雹(ひょう)の災い
- バッタ(イナゴ)の災い
- 暗闇の災い
最後の災い
初子の死と「過越」
チャールズ・スプレイグ・ピアース『エジプトの初子の死への哀歌』
(スミソニアン博物館、ワシントンD.C.)
そこで、神はいよいよ10番目の災いをもたらします。
同じように、家畜の初子もとても大事で、神への捧げものも、一番良いとされている初子が選ばれます。
しかし、家畜だろうと人間だろうと、そしてファラオだろうと、
大切な初子が殺されることとなってしまいました。
でも、そうすると、大切なイスラエルの民の初子まで死んじゃいますよね。
「家の入口に子羊の血を塗っておけば、その家のことは過ぎ越す」
と伝えます。
神が通り過ぎたことに由来していたわけマボかあ。
そして、ファラオの許しへ
ローレンス・アルマ=タデマ『ファラオの初子の死』
(アムステルダム国立美術館、アムステルダム)
ファラオもさすがに、イスラエルの民が出ていくのを許します。
ところで、
「酵母の入っていないパンの練り粉」
が突然出てきましたが、これって何マボか?
そこで、酵母で膨らませる余裕もないので、
クラッカーのような「種なしパン」を作ることになった、というわけです。
この一連の出来事に由来して、過越祭ではこの種なしパンが食べられるようになった、とも言われています。
この続きについては、次回の記事で見ていきましょう。
まとめ
- 10の災いも、最初のうちは、エジプトの魔術師たちに対抗される
- しかし、次第にエジプトの魔術師たちでも真似できなくなるが、ファラオは依然頑ななまま
- 最後に「初子の死」が訪れ、ようやくファラオはイスラエルの民を解放する
研究者Uさんの、「聖書」に関する専門講義の続きはこちらをチェックまぼ!
参考記事
出エジプト記
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