研究者Uさんの聖書講座のシリーズです!
【出エジプト記/モーセ】①「エジプト脱出」の物語のプロローグ【研究者Uの聖書講座】
前回までの記事はこちらをチェックしてくれ~
ユダヤ教の聖書解釈を専門にしている「研究者U」です。
今回は、ヘブライ語聖書(いわゆる「旧約聖書」)の「出エジプト記」における、
「モーセの誕生」
「モーセの召命」
の物語を中心に見ていきましょう。
目次
モーセの誕生
ニコラ・プッサン『モーセの発見』
(「カーディフ・ナショナル・ミュージアム」
「ロンドン・ナショナル・ギャラリー」共同所有)
ヘブライ人の男児殺害命令を出していました。
そんな折、いよいよモーセが誕生します。
モーセは初め、隠して育てられていたのですが、それも長くは続かず手放されると、
ナイル川でファラオの娘に拾われることになります。
ローレンス・アルマ=タデマ『モーセの発見』
(個人蔵)
「モーセが川に流されている」
描写が見かけられるときがありますが、
聖書本文をよくよく見ると、「川に流された」とは書いてありません。
マンボウちゃん、てっきり、
モーセはどんぶらこ、どんぶらこ、と「桃太郎」をしていたと思っていましたが、違うわけマボねえ。
イメージだけで、原文の内容まで勘違いしてしまうことってありがちマボよねえ。
エジプトからの逃避行
モーセは一瞬で成人になり、エジプト人を殺す
大人になるまでの過程は、聖書には書かれていません。
今度は、逆に、桃太郎そっくりマボねえ。
「おじいさんとおばあさんに桃太郎と名付けられると、
桃太郎は立派な青年に成長しました。
さて! 村には鬼が……」
みたいな。
10節までは赤ん坊だったモーセは、
次の11節になると、いきなり成人になり、
同胞のヘブライ人が重労働しているのを見かけます。
エジプト人に対して神は冷淡
「ファラオの王女に育てられたモーセが、自分はヘブライ人だと気づいたのはいつか」
といったことはわかりません。
まあ、育っているうちに、どこかで気づいたのでしょう。
物心ついた最初の描写が、人殺しとは……。
人殺しなんかして、イスラエルの民の神様に叱られないマぼかねえ。
というか、神は興味すら示していません。
神はエジプト人に対して冷淡です。
モーセの召命
神には叱られませんが、ファラオには目を付けられかねません。
ファラオから逃れたモーセは、「ミディアン」と呼ばれる地へ逃亡しました。
そうこうしているうちに、ファラオの代替りがあります。
「エジプトへ帰っても大丈夫かも!」
という伏線マボねえ。
マンボウちゃん、ぴんっと来たマボよお。
「燃える柴」というエピソードです。
強情なモーセ、神の言葉を拒否「自分、口下手なんで……」
セバスチャン・ブルドン『燃える柴』
(エルミタージュ美術館、サンクト・ペテルブルク)
炎の中に見えていたのは当初天使だったはずですが、
いつのまにか、モーセと神本人が直接話している雰囲気になっていきます。
モーセは口答えばかりします。
主人公なのに情けないマボ……。
それに、神にまで逆らうなんて、なかなかクレイジーな男マボねえ。
「これを使えば、エジプト人も、イスラエルの民の神の存在を信じるだろう」
とモーセを説得にかかるのですが、
「自分は口下手なので……」
と、やはりモーセは拒否し続けます。
キレる神と突然のアロン
「おまえには、アロンという、雄弁な兄弟がいるだろう!
エジプト人の説得はアロンに任せなさい!」
と、モーセの兄・アロンに言及します。
そんな人、いたマボか?
まあ、モーセはこうやって外堀を埋められ続けてしまった、というわけマボねえ。
この続きは、次回の記事で……。
まとめ
- 「男児殺害命令」が出ていたので、モーセは親の手を離れる。なお、「川を流れていた」という描写は聖書本文中にはない。
- 一瞬で成人になったモーセは、すぐさまエジプト人を殺し、エジプトを脱出
- 燃える柴を見つけたモーセは、神との対話の中で神の命令を何度も拒むが、最後は突然言及されたアロンも頼りに、エジプトへ戻ることに
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参考記事
出エジプト記
創世記
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