研究者Uさんの聖書講座のシリーズです!
【出エジプト記/モーセ】⑤「出エジプト」の……人数/いつ頃?/実話? 【研究者Uの聖書講座】
前回までの記事はこちらをチェックしてくれ~
ユダヤ教の聖書解釈を専門にしている「研究者U」です。
今回は、ヘブライ語聖書(いわゆる「旧約聖書」)の「出エジプト記」に関して、
「海を割る奇跡」
のシーンを中心に見ていきましょう。
目次
モーセたちが渡ったのは「紅海」か?
ニコラ・プッサン『紅海横断(Le Passage de la mer Rouge)』
(ビクトリア国立美術館、メルボルン)
- 神は紅海に沿う荒野の道に、民を回らされた。
イスラエルの人々は武装してエジプトの国を出て、上った。
聖書の同じシーンでも、
「新共同訳」は「葦の海」なのに、
「口語訳」は「紅海」ですねえ。
「紅海」と断定するのは必ずしも正解ではないことから、
最近の訳では「葦の海」という訳が主流です。
追いかけてくるエジプト軍
イスラエルの民、モーセに不平不満を言う
心変わりの後、自ら追撃軍を率いてイスラエルの民を追いかけます。
モーセに率いられて、のこのこエジプトを出てきたのは自分たちなのに、
文句ばっかりマボよ!
「なんで助けたんだ!」
と口にするイスラエルの民は、しかしこれはこれで、非常に人間らしいですね。
ちなみに、
「何かあるたびにイスラエルの民がモーセへ不平不満を言い、
モーセがどうにかこれをなだめる」
という構図は、今後もお決まりのパターンとなっていきます。
海が割れる奇跡
コジモ・ロッセッリ『紅海の通行』
(システィーナ礼拝堂、ヴァチカン)
〔中略〕
〔中略〕
主は夜もすがら激しい東風をもって海を押し返されたので~」
という描写から、「風の力」で海の水をどかした、と考えることができます。
ファラオもやっつけたマボよ~オラオラ~。
大量のエジプト軍やファラオその人が死亡したのが事実なら、何かしらの記録に残っていてもよさそうですが。
不満を述べる民
しかしその後、しばらく荒野をさまようことになるので、すぐに不満を言うようになります。
民がモーセに不平不満を述べ、
そのたび神が水を出したり鳥を降らせたりとサービス精神を見せる、
というお決まりのパターンが続きます。
この続きについては、次回の記事で見ていきましょう。
まとめ
- 聖書本文には「葦の海」とはあっても「紅海」とは書かれていない
- イスラエルの民が不平不満を言い、モーセがどうにかなだめるというパターンが続く
研究者Uさんの、「聖書」に関する専門講義の続きはこちらをチェックまぼ!
参考記事
出エジプト記
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