研究者Uさんの聖書講座のシリーズです!
【出エジプト記/モーセ】⑥ 海を割る│「葦の海」と「紅海」【研究者Uの聖書講座】
前回までの記事はこちらをチェックしてくれ~
ユダヤ教の聖書解釈を専門にしている「研究者U」です。
今回は、ヘブライ語聖書(いわゆる「旧約聖書」)の「出エジプト記」に関して、
「十戒」
のシーンを中心に見ていきましょう。
シナイ山における神の到来
ジャン=レオン・ジェローム『シナイ山のモーセ』
(個人蔵)
さて、そんな彼らのもとに、いよいよ神がやってきます。
新共同訳〈出エジプト記19:10-20》
一般財団法人日本聖書協会HPより
(2022年4月17日 閲覧)
神の登場シーンは、ゲームみたいな描写マボ!
似たような話で、現在「シナイ山」と呼ばれる山はありますが、聖書のシナイ山と同一かは不明です。
十戒
16節でも「十戒」
ベンジャミン・ウェスト『シナイ山で律法を授かるモーセ』
(ウェストミンスター宮殿、ロンドン)
新共同訳〈出エジプト記20:1-17》
一般財団法人日本聖書協会HPより
(2022年4月17日 閲覧)
フィリップ・ド・シャンパーニュ『十戒を持つモーセ』
(エルミタージュ美術館、サンクトペテルブルク)
聖書本文を見ると、
「十戒」なのに、16節ありますが……。
「1本でもニンジン」「5人揃って四天王」みたいなトンチまぼか。
「戒め」の数が10個になるよう、16の節を再構築しなければなりません。
神が授けた10の「戒め」をどのように数えるかは、教えに応じていろいろな考え方があります。
※一例
- プロテスタント(キリスト教の1つ)
2-3、4-6、7、8-11、12、13、14、15、16、17
- カトリック(キリスト教の1つ)
2-6、 7、8-11、12、13、14、15、16、17a、17b
- ユダヤ教
2、3-6、 7、8-11、12、13、14、15、16、17
ここに挙げた分け方もあくまで一例であるということは、ご承知おきください。
どこで見解が分かれているのか
まず、第2節の次の言葉。
わたしは主、あなたの神、あなたをエジプトの国、奴隷の家から導き出した神である。
ユダヤ教では、この第2節単体で、1つの戒めとしています。
まあ、そういうもんなんですかねえ。
そりゃあ、教えによって数え方も変わりますよねえ。
「十戒以外のさまざまな教え」
について見ていきます。
この続きについては、次回の記事で見ていきましょう。
まとめ
- 現在「シナイ山」と呼ばれる山はありますが、聖書のシナイ山と同一かは不明
- 「十戒」の数え方は、教えによって異なる
研究者Uさんの、「聖書」に関する専門講義の続きはこちらをチェックまぼ!
参考記事
出エジプト記
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