【日本語/飯間浩明】② 文章の書き方を考える/伝わる文章の書き方教室 などから

こんにちは、はてはてマンボウです。

 

今回は辞書の編集者の飯間浩明さんの著書シリーズ、第2段、

 


 

 

【日本語/飯間浩明】① 言葉の使い方を考える/辞書を編む などから

前回までの記事はこちらをチェックしてくれ~

 


 

今回は、

 

どうすれば伝わりやすい文章が書けるか

 

について見ていくよ。

梓

 

非論理的な人のための論理的な文章の書き方入門

「クイズ文」を書けばいい

飯間浩明(2008)『非論理的な人のための論理的な文章の書き方入門』(ディスカヴァー携書)

 

飯間さんは著書の中で、

「クイズ文」

という型を使えば伝わる文章が書ける、と主張している。

梓
はて、クイズ文。

 

クイズ文とは耳慣れないことばですが、私が作った用語です。

テレビや本に出てくる、あのクイズそのままの形式を持つ文章のことを、こう名づけています。

もっと具体的に言えば、

 

「問題・結論・理由」

 

の三つを備えた文章のことです。

飯間浩明(2008)
『非論理的な人のための論理的な文章の書き方入門』
ディスカヴァー携書)

 

飯間さんは、

「考えの伝わる文章を書くということと、
読みやすい文章を書くということは別物」

と指摘した上で、

「考えの伝わる文章」のフォーマットを提示しているんだ。

梓
  1. 問題の提示
  2. 結論の提示
  3. 理由の提示
  4. 想定される反論とそれへの再反論
  5. 結論の確認

 

なるほどお。

この「クイズ文」フォーマットに従って書いていけば、伝わる文章を作れる、というわけマボねえ。

 

実例:ヘスス・スアレスさん

さて、賢明なる読者のみなさんなら、ヘスス・スアレスさんが誰かはすでにご存じのことだろう。
梓

 

サッカーダイジェストWeb

「大人気ジャーナリストのヘスス・スアレス氏が『ワールドサッカーダイジェスト』編集部を電撃訪問!」

(2021年3月2日閲覧)

 

知るわけないマボ。
誰マボか。
『WORLD SUCCER DIGEST』

という有名な日本のサッカー雑誌に昔から寄稿しているジャーナリストだ。

独特な言い回しが有名で、「賢明なる読者の~」もその1つ。

さて、実は彼の文章は実はクイズ文となっていることが多いんだ。

梓

 

〔サッカーのスーパー・スターであるクリスティアーノ・ロナウドを評して〕(問題)

私は、ポルトガル人スターについてはしばしば苦言を呈している。 (結論)

 

「リーガ得点王に輝き、あまつさえバロンドールを受賞しているような選手をなぜこき下ろすのか?」

そう呆れかえる人もいた。

しかし私は、C・ロナウド自身を批判するよりは、彼に対する的外れな論調にもの申したかった。

得点能力が高いことは、フットボーラーとしての才能とイコールでは結べない。その点を主張したかった。(想定される反論とそれへの再反論)

一人のアスリートとして肉体能力で相手を打ち負かす、という部分でC・ロナウドは突出しているが、フットボールインテリジェンスにおいては、アンドレス・イニエスタやシャビ・エルナンデスと比ぶべくもない。 (理由)

 

彼はフットボールを創る選手としては凡庸の域を出ない。(結論の確認)

 

ヘスス・スアレス他(2014)

『英雄への挑戦状―世界最高のサッカー選手論』

(東邦出版)

 

「クイズ文」で示されるフォーマットと若干順序は異なるものの、

ここで示されている要素は網羅されている。

梓
たしかにマンボウ。

 

しかし、激しい論調の人マボねえ……

 

クイズ文の注意点

さて、ここからはクイズ文の注意点を抜粋して挙げていこう。
梓

「問題設定」の注意点

  • 漠然とした問いかけのもの

論点が曖昧なので無数の結論が出てしまう。

 

  • 主観的なことばを伴っているもの

「楽しい」「よい/悪い」など主観的な言葉は定義が人それぞれなので、

議論に決着がつかない。

 

「問題」のよくない述べ方

  • 問題が書かれていない

そもそも問題が書かれていなければ、議論ができない。

 

  • 問題が複数ある

問題が複数あると、何について議論すればいいのかわからなくなる。

 

「結論」のよくない述べ方

  • 結論が書かれていない

問題が投げっぱなしで、筆者の結論がない。

 

  • 問題と結論がかみ合わない

問題提起した内容と結論が論理的に結びついていない、論理の飛躍がある。

 

伝わる文章の書き方教室

飯間浩明(2011)『伝わる文章の書き方教室 書き換えトレーニング10講』 (ちくまプリマー新書)

 

先ほどまでの文章から話は変わり、

文章を書く際にどのような語を選ぶべきか、

 

またその語彙力のトレーニング方法について語っているのが、

『伝わる文章の書き方教室』。

梓
こちとら日本語ネイティブ、トレーニングなんて要らないマボよ~おらおら~

 

和語と漢語とを互いに書き換える

ところが、これが意外と難しい。

 

以下は、『伝わる文章の書き方教室』から。

梓

 

次の文の太字の漢語を和語に書き換えてください。

山田くんは、休日に友人と観劇に行きました

 

は、はて~
そもそも「和語」と「漢語」って何マボか~

 

大ざっぱに言えば、

和語は、漢字を訓読みすることば。

漢語は、漢字を音読みすることばです。

もっと正確に言えば、和語とは、中国語などから入ってきたのではない、固有の日本語です。
たとえば、「うみ」「やま」「ひと」「けだもの」「うつくし」など。

(中略)

これらのことばは、中国から漢字が入ってくると、
「海」「山」「人」「獣」「美し」など、
漢字の訓読みとしても使われるようになりました。

一方、漢語とは、漢字を中国語の発音に基づいて読むことばです。
たとえば、「海洋」「山地」「人間」「野獣」「優美」などは漢語です。

というわけで、さっきの例文の漢語を和語にすると、

休みの日に友だちとお芝居を見に行きました

となる。

梓
なるほどマボねえ。

ちなみに、和語と漢語を使いわけられるようになると、どんないいことがあるマボか。

和語は優美で親しみやすい印象はあるけど、冗長な印象を与えることもある。

漢語は大人っぽい締まった印象を与えるけど、とっつきにくさがある。

文章全体のバランスや、

どんなシチュエーションで書いている文章なのかを意識して、

使いわけるといいね。

梓

「が」「て」を使わず一続きの文に書き換える

次の文章は3つの文でできています。

これを書き換えて、一続きの文にしてください。

なお、文と文の間を「が」「て」でつないではいけません。

山田高校は3点を追っていた。9回表に相手投手のミスから同点に追いついた。9回裏、相手打線が爆発して競り負けた。

「が」「て」を使わないって、難しいマボね~
どうしてこんな制限をするマボか!
文章と文章の前後関係がよくわからないまま、だらだらと続いた分かりにくい文章になるからだ、

 

と飯間さんは指摘している。

梓

 

そう考えると、「が」「て」を使わずに、わざと長い文を続けて書くというトレーニングの有効性が分かります。

「が」「て」を「NGワード」とすることで、だらだらと書かずに、話の道筋をはっきりさせて書く癖が身につきます。

 

というわけで、「が」「て」を使わない例文がこちら。
梓

 

山田高校は3点を追い続けたあげく、9回表に相手投手のミスから同点に追いついたのもつかの間、その裏、相手打線が爆発して競り負けた。

 

制限をすることで、いろいろな表現について考えられるようになる、というわけマボね~

マンボウちゃんもトレーニング、がんばるマボよ~、はってはて~

 

まとめ

  • 「問題」「結論」「理由」「想定反論と再反論」「結論の確認」のクイズ文で伝わる文章を書こう!
  • 「和語と漢語の使い分け」「『が』『て』を使わない」といったトレーニングも有効!

 

「日本語」シリーズ

知っているようで知らない、日本語についてのあれこれをまとめてますよ~はってはて♪

 

参考資料

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