国宝・十一面観音像と仏たち╿奈良県 宇陀市の室生寺②

こんにちは、はてはてマンボウです。今回は奈良県の山奥のお寺・室生寺のお話の続きです、まぼ。

女人高野に佇む日本最小の五重塔╿奈良県 宇陀市の室生寺①

前の記事をチェックしたい人は、こちらを見てくれ~


今回は室生寺のさまざまな仏を見ていくよ。
梓

金堂と釈迦如来像

さて、奥の院から金堂へ戻ろう。
ここにはたくさんのすばらしい仏像が安置されているんだ。
梓

堂内には釈迦如来立像、十二神将立像などが安置されています。
9世紀なかばごろの創建とされ室生寺の中で最も古い建築物の一つ。
江戸時代、徳川5代将軍綱吉の生母、桂昌院が深く仏教に帰依し、室生寺の堂塔の修理、復興に力を尽くし、この時期に金堂も大改修がなされました。

「奈良大和 四寺巡礼編『室生寺』より

真ん中に立っているのが、ご本尊ですね。お釈迦さまですか。
そのとおり、釈迦如来だ。だけど、もともとは薬師如来としてまつられていたのでは、とも言われている。
梓

釈迦如来立像

美しいお姿の金堂のご本尊は、仏教の開祖であるお釈迦様が悟りを開かれ、永遠に衆生を救済する仏になられた釈迦如来です。
深い瞑想の表情をされた室生寺の釈迦如来はもともとは古式の薬師如来像であったと考えられています。
平安時代初期に造立され、華やかな文様が描かれた光背も制作当初のものです。

「奈良大和 四寺巡礼編『室生寺』より

如意輪観音菩薩

如意輪観音坐像

女性的な優しさに満ちた表情を浮かべるこの如意輪観音は日本三如意輪の一つ。如意宝珠と輪宝を持ち、延寿、安産に功徳があるとされます。

「奈良大和 四寺巡礼編『室生寺』より

本堂にいる仏の1つが、如意輪観音菩薩だ。
一面六臂のこの菩薩さまは、あらゆる願いを叶える『如意宝珠』と、釈迦の教えを象徴する『法輪』を持つことに名前の由来がある。
梓
よく見ると、両方の足の裏がくっついています。身体が柔らかいのねえ。
両足裏を重ねる「輪王坐(りんのうざ)」のポーズがよく見られるね。
また、頬に手を当てている仏さまは、人々を救う方法を思案しているんだ。
梓

地蔵菩薩

地蔵菩薩立像

女人高野 室生寺 『御仏と寶物 寶物殿』」より

はて、お地蔵さんが出てきました。
お地蔵さんもまた、菩薩の一種なんだよ。
梓
そういえば、地蔵菩薩って言いますもんねえ。
でも、格好はほかの菩薩と違って地味ねえ。頭には飾りがなくて髪をそっていますし。
地蔵菩薩は僧形を表しているから、質素な姿になんだ。
仏教では、将来、弥勒如来という如来が現れて、人々を救うと言われている。
梓
そりゃあ、ありがたいことねえ。で、いつ現れるまぼか。
五十六億七千万年後だ。
梓
そ、そんなマンガみたいな、はてはて!
というわけで、「そんな長い時間待てない!」というみなさんのご希望にお答えして生まれた菩薩の1つが、地蔵菩薩というわけだ。
梓
仏像にも、いろんな由来があるんですねえ。

十一面観音菩薩立像

十一面観音菩薩立像

上品で端正な顔立ちには女性的な優しさを感じますが、その体躯はしっかりとして引き締まっています。本尊の本来の脇侍として造られたものと考えられています。
八重蓮華座と呼ばれる像の美しい台座は、後世の補作の部分はあるものの、平安時代前期の様式を良く伝えています。

女人高野 室生寺 『御仏と寶物 寶物殿』」より

最後に紹介するのは、女性と見まがうような穏やかな表情は、国宝・十一面観音菩薩立像だ。
梓
色あせてはいるものの、薄茶色の肌の周りを赤や緑の色彩が覆っていますね。

さっき見たお釈迦さまよりは格好が派手な気がします。胸元にも飾りがいろいろありますし。

如来は、悟ったのちに質素な生活をしていた釈迦の格好をモデルにしているから、服装も袈裟のみだ。
一方で、菩薩とは『悟りを求める者』という意味で、修行中の釈迦をモデルにしている。
梓
修行中のお釈迦さまは、豪勢な格好をしていたまぼか。
釈迦が王族の出身だったことを意識して、菩薩には優美な姿が用意されているんだ。
菩薩は、将来的に如来となることが約束されているんだけど、より多くの人々を救うために、人々により近い、同じ修行中の立場にあえて留まっている、という位置づけにある。
梓
やさしく見守ってくれているまぼねえ。

今日からわかる仏像の見分け方╿如来・菩薩・明王・天

いろんな仏像の見分け方を知りたい人は、こっちの記事もチェックしてくれ~


まとめ

  • 金堂は、釈迦如来立像、十二神将立像などが安置される室生寺の中で最も古い建築物の一つ。
  • 本尊の釈迦如来は、もともとは薬師如来像であったと考えられている。
  • 十一面観音をはじめとする「菩薩」は、より多くの人々を救うために、人々により近い、同じ修行中の立場にあえて留まっている。

基本情報

≫公式HP

〒633-0421 奈良県宇陀市室生78

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参考文献

  • 真言宗室生寺派 大本山 室生寺編(2000)『女人高野 室生寺』(飛鳥園)
  • 三好和義(2015)『室生寺』(クレヴィス)
  • 薬師寺君子(2016)『写真・図解 日本の仏像 この一冊ですべてわかる!』(西東社)

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