今回は三国志マボかあ。
それも横山光輝の『三国志』。
目次
『三国志』⇒『三国志演義』⇒『三国志(吉)』⇒『三国志(横)』
横山三国志
そして、横山光輝……?
一方、『三国志演義』は、16世紀頃の明の時代に、『三国志』を基にして書かれた時代小説なんだ。
そして、この『三国志演義』を、
作家・吉川英治が日本人向けにアレンジして書いたものをマンガにしたのが、
漫画家・横山光輝の『三国志』で、「横山三国志」とも言われる。
横山光輝『三国志』(潮出版社)
というわけで、主人公・劉備がどこで何をしていたのかをまとめてみよう、というのが今回の記事だよ。
人物相関図と中国全土
①魏(ぎ)
②呉(ご)
③蜀(しょく)
の3つの国が争ったことからその名が付いているんだけど、
「横光三国志」では、明確に蜀へ肩入れして話を進めているから、とりあえず蜀の人物相関図を見ておこう。
「ケトル」(2017) 第37号
劉備のライバルとして登場する曹操(そうそう)を中心とした勢力図がこちら。
というわけで、『横山光輝で読む三国志』から地図を引っ張ってきた。
渡邉義浩(2022)『横山光輝で読む三国志』潮出版社.
また、記事の中に出てくるマンガは全て横山光輝の『三国志』です。
桃園の誓い(180年代)
皇帝の力が衰えつつあったこの頃、幽州(ゆうしゅう)の涿(たく)郡出身の劉備(りゅうび)が登場する。
田舎暮らしをしている彼だが、実は漢の王家の血筋の末裔だったのだ!
そんな劉備の下へ、
身の丈・九尺(約216cm)、約50cmの髭を生やした赤ら顔の男・関羽(かんう)と、
身の丈・八尺(約184cm)、豹のような頭につぶらな瞳、エラが張った顔に虎髭、暴れ馬のような男・張飛(ちょうひ)が、
仲間にしてくれとやってくる。
3人は桃園に宴席を設え、義兄弟の契りを結ぶと、世直しのために挙兵することになった。
第1巻「桃園の誓い」
第5話「乞食舞台」
異様な体つきの男たちがなだれ込んで、
世直しを誓う……
冷静に考えると、主人公の集まりとは思えないマボねえ……。
しかし、大した恩賞も貰えず、安喜という小さな県の役人にしかなれなかった。
結局、統治に当たって賄賂を求めてくる役人を、イラついた張飛がボコボコにしたせいで、劉備一行は役人の地位を捨てて放浪の旅に入ることになる。
第3巻「漢室の風雲」
第2話「勅使」
虎牢関の戦い(180年代)
この董卓を討伐するため、諸侯が立ち上がり、
公孫瓚(こうそんさん)の軍に寄寓していた劉備一行にも活躍のチャンスが巡ってきた。
董卓討伐軍は、董卓側の武将・華雄(かゆう)の前に難渋していたんだけど、そこに、劉備一行から関羽が現れ、熱い酒を引っかけてから敵軍に突っこむと、あっさり華雄を討ち取って帰ってくる。
第5巻「董卓追討軍」
第3話「関羽の武勇」
関羽と張飛は、とりあえず敵陣に飛び込ませておけば敵の大将首を持って帰ってくる、というのが「横光三国志」のお決まりのシーンなんだよ。
しかし、そんな関羽や張飛をもしのぐ、三国志世界で最強の武将が現れる。
呂布だ。
呂布はまた更に一段、戦闘力がかけ離れていて、虎牢関に現れた討伐軍が二手に分かれて襲ってきたときなんかは……
第5巻「董卓追討軍」
第4話「虎牢関の戦い」
そこへ、劉備一行の張飛が現れ、呂布と一騎打ちをする。
なかなか勝負がつかないところに、関羽と劉備も助太刀に入る。
ちなみに、虎牢関の戦いの後、都は洛陽の西の長安(ちょうあん)に移った。
まとめ
- 歴史書『三国志』が、明時代に歴史小説『三国志演義』となったのち、吉川英治の小説を経て、横山光輝が描いた漫画が通称・「横山三国志」。
- 涿郡の田舎から、黄巾の乱→役人を務めるも再び流浪→虎牢関の戦いで活躍!
横山三国志の記事のリスト
- 横山三国志①│「桃園の誓い」から「虎牢関」まで
- 横山三国志②│「呂布」の最期から「関羽」の千里行まで
- 横山三国志③│孔明「三顧の礼」から、趙雲・張飛「長坂坡の戦い」まで
- 横山三国志④│「赤壁の戦い」/ げぇっ 関羽!
- 横山三国志⑤│「荊州」争奪戦/「呉」との争い
- 横山三国志⑥│「漢中王」劉備/空城の計/鶏肋、鶏肋……
- 横山三国志⑦│関羽/張飛/劉備|英雄たちの最期……
- 横山三国志⑧│南蛮討伐/第一次北伐/泣いて馬謖を斬る
- 横山三国志⑨│五丈原の戦い/孔明の最期・死後
参考資料
- 「ケトル」(2017) 第37号
- 横山光輝『三国志』(潮出版社)
- 渡邉義浩(2022)『横山光輝で読む三国志』潮出版社.
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