今回のテーマは……
やっぱり、「はてはてマンボウの教養回遊記」なんだから、マンボウにまつわる記事もないとね。
ところで、マンボウちゃんはマンボウについて詳しいの?
自分のこともよくわかっていないマンボウまぼ。
マンボウのひみつ
マンボウを愛して止まない筆者が、マンボウの生態から都市伝説まで、丁寧に取り上げた一冊だ。
マイナーな領域の研究者としての苦悩もうかがえる一面も……。
澤井悦郎 (2017)『マンボウのひみつ』(岩波ジュニア新書)
4月で契約切れたため、無職のおじさんになりました。自分に合った仕事を探しつつ、マンボウ研究を続けます。今後は収入源の支援サイトを充実させていく予定なので月額1000円ご支援頂けると生活がとても助かります。レンタル博士や講演、記事執筆等の単発依頼も大歓迎です。https://t.co/nqGhzlGvvM
— マンボウ博士(求職中)@マンボウをまん延防止等重点措置のイメージキャラクターにしよう (@manboumuseum) March 31, 2021
マンボウの仲間
間違われるも何も、名前に「マンボウ」が入っていたらそりゃあそうマボよ。
「回転寿司でマグロの代用魚になる」
という話もあるけど、一般的には流通していないらしく、これは都市伝説らしい。
マンボウがぷかぷか浮かぶのは昼寝?
あれはお昼寝かしら、すやあ。
マンボウは海面で体を横たえてぷかぷか浮く行動をするのですが、
日本では俗に「昼寝」、
海外では「日光浴」と呼ばれています。
英名オーシャンサンフィッシュは、マンボウが海面で日光浴しているように見えることに由来します。
(中略)
最初に実証されたのは、「海鳥に外部寄生虫を食べてもらう」という説です。
マンボウが表層にいるとき、近くに海鳥もいるときがあります。
海鳥は昼寝しているマンボウに近づき、くちばしでマンボウをつついて外部についた寄生虫を食べます。
昔から知られている知見ですが、映像として記録されたのはごく最近です。
続いて実証されたのは「深海にもぐって冷えた体を温める」という説です。
回遊の謎
そもそもマンボウって回遊するマボか?
だけど、ちゃんと回遊するんだよ。
「回遊」とは、成長や環境の変化に応じて移動すること、季節的に移動することを指します。
(中略)
短期的に見ると、一地点から複数個体放流したマンボウは、それぞれ好き勝手バラバラの彷徨に移動することが確認されました。
海で遭遇したマンボウが一匹だけであることが多いのは、これが理由と思われます。
ですが、長期的に見ると、移動には季節性があることもわかってきました。
日本近海での例を紹介しましょう。
千葉県から放たれたマンボウは夏に向って北上し、
一定期間、三陸沖に滞在した後、
冬に向って日本の沿岸を南下する傾向が見られました。
夏に北上、冬に南下する季節的移動は、他の海域でも確認されています。
短期的にみればバラバラに移動しても、長期的には同じ方向に移動するので、
嵐や海流にも負けず回遊するなかで、仲間と出会って群れたり、別れて単独になったりするのでしょう。
また興味深いことに、日本沿岸から離れて太平洋のど真ん中へと移動する個体も確認されています。
なぜ「沿岸域に留まる個体」と「概要に離れる個体」がいるのかは不明ですが、
どうもマンボウは想像以上に、複雑な回遊様式をもっているようです。
でも、あっちにいったりこっちにいったりするのは、このブログと行動様式が似ているマボ。
マンボウの死因とは
マンボウの天敵
なお、マンボウが襲われたとき、天敵から逃げ回る行動は確認されていますが、反撃する行動は確認されていません。
また、シャチやイルカは、昼寝行動中のマンボウに体当たりして遊ぶことが知られています。
私も岩手県でカマイルカが昼寝中のマンボウに体当たりして、泳ぎ去って行くのを目撃したことがあります。
マンボウちゃんは繊細マボよお、止めてくれ~
マンボウの死因と都市伝説
Googleでの検索結果(2021年4月21日閲覧)
悲しい検索ワードマボ……。
〇2010年5月19日~2013年11月17日の間、
wikipediaの「マンボウ」のページで、マンボウのジャンプに関連して、
「マンボウはこの時、着水の衝撃で死に至る事がある」という一文が初めて追加される。
〇2013年8月、ツイッターの人気アカウントが
「マンボウの死因一覧
:朝日が強すぎて死亡
・水中の泡が目に入ったストレスで死亡
・海水の塩分が肌に染みたショックで死亡
・前から来たウミガメとぶつかる事を予感したストレスで死亡
・近くに居た仲間が死亡したショックで死亡
・近くに居た仲間が死亡したショックで死亡した仲間から受けたストレスで死亡」
とツイートし、一万回以上リツイートされる。
〇2011年の年末のテレビ番組にも取り上げられるなど、マスメディアを通じて拡散
興味を持った人は、ぜひ実際に買ってみてください。
参考資料
- 澤井 悦郎 (2017)『マンボウのひみつ』(岩波ジュニア新書)
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