「美術」って興味はあるけど、何から始めたら?╿愛好家への道①

こんにちは、はてはてマンボウです。

 

毎度教養に関するあれこれを紹介するこのブログまぼけど、

 

そもそもこの知識、どうやって獲得すればいいマボかねえ

それじゃあ今回は、私が西洋美術について興味と知識を深めるにいたった過程を紹介してみることにしようか。
梓
「西洋美術について詳しく知りたいけど、どこから始めたら?」という人は、参考にしてみてくれ~

 

世界史

高校時代、世界史を専攻していたのはとても役に立った

 

そもそも文化史として美術の知識を覚えるというのもあるけれど……

梓

 

  • いつ、どこに、どんな王朝があるのか

 

  • その時代の美術の動きと世界の歴史はどう結びついているのか

 

そんな知識が背景にあると、1つの絵を見るときにもいろいろな思いを巡らせることができる。

 

「ああ、これは『中世最後の騎士』とうたわれた、神聖ローマ皇帝・マキシミリアン1世の肖像なんだなあ」とかね。

梓

 

デューラー『皇帝マキシミリアン1世の肖像』

(美術史美術館、ウィーン)

 

マンボウちゃん、世界史は勉強したことないマボよ~どうすればいいマボか
高校生が使っている図録は、とても参考になると思うよ。1冊買っておいて損は無いと思う。
梓

 

山川 詳説世界史図録 第3版 世B310準拠 [ 木村 靖二 ]

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聖書とギリシャ・ローマ神話

聖書

高校生のときには美術館へ行く機会なんてほとんどなかったんだけど、

 

大学生になってから「まあ、どんなもんかな」と興味本位で訪れるようになった。

梓
美術館はデートにもぴったりマボよねえ、はってはて♪
世界史の知識はあったから、

 

「ああ、このバロックの絵画は、対抗宗教改革のムーブメントの一環で描かれたのか!」

 

といった時代背景はわかる

だけど、その絵が何をテーマにしていて、何を言っているのかはわからないままだった。

梓
こうなると、せっかくのデートでも知ったかぶりするしかないマボよ、はてはて……
さて、大学生のとき、初めて一人で海外へ行く機会があった。

渡航前日、ふらりと立ち寄ったコンビニでこんな本が打っているのが目に入ったんだ。

梓

 

図解 聖書【電子書籍】[ 大島力 ]

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聖書マボか
この図説は、聖書のストーリーについて簡潔に解説してくれている

正直言って、聖書の一連の流れを読むのは初めてだった。

 

だけど、この海外で絵画を鑑賞するとき、この聖書の知識はとても役に立ったんだ。

梓
聖書の知識の何が役に立ったマボか。
西洋では長らく、絵画とは「見る聖書」とも言える存在だった。

すなわち、文字を知らない一般大衆でも、絵画を見れば聖書の中でどのようなシーンがあるかを想起することができる。

梓

 

カラヴァッジョ『ゴリアテの首を持つダヴィデ』

(ボルゲーゼ美術館、ローマ)

 

普通に見れば「怖い!」としか思わないこの絵画も、

 

聖書のストーリーを知っていれば、意味のあるものとして感じられる、ということマボねえ。

 

図説キリスト教聖人文化事典 [ マルコム・デイ ]

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聖書の一連のストーリーが頭に入った後は、個別の聖人にまつわるストーリーを深掘りすると、より絵画を楽しめるようになるよ。
梓

 

ギリシャ・ローマ神話

西洋美術の『歴史画』を楽しむ上で、聖書に加えてもう1つ重要な知識が「ギリシャ・ローマ神話」だ。
梓

 

松村一男監修(2011)

『図解 ギリシア神話 歴史がおもしろいシリーズ』(西東社)

 

ルネサンス以降、ギリシャ・ローマ時代の文化に大きな憧れと敬意を払うようになった西洋では、数多くのギリシャ・ローマ神話を題材とした絵画が描かれたんだ。
梓

 

レンブラント・ファン・レイン『ガニュメデスの誘拐』
(ドレスデン国立美術館、ドレスデン)
これだけ見れば、鷲が子どもをさらっているだけの絵に見えますねえ。
これは、ゼウスが変身した鷲がガニュメデスという子どもを天界へ連れていくというシーンなんだ。

 

歴史画というのは歴代の画家が同じテーマを繰り返し描いているから、

 

時代によってその表現にどんな変化があるのかを観察できるのも楽しみの1つだね。

梓

 

美術史

さて、こうして絵画を楽しむための「文脈」を学んできた。

と同時に、やはり「美術史そのもの」というのを見ていくのも、美術の流れを楽しむためにはいいことだ。

梓

 

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この『鑑賞のための西洋美術史入門』は、西洋美術の流れが抜け洩れなく記載されていながら、肩こりせず気楽に読める一冊で、とても重宝している。
梓
西洋絵画の一連の流れは、この教養回遊記でも紹介してたマボねえ。

 


 

「そこそこわかる西洋絵画の歴史と見方」のシリーズをまとめてます。みんな、チェックしてくれ~。

 


 

図録

美術展を訪れたとき、ぜひ購入を検討してほしいのが展覧会限定の図録
梓
図録マボよねえ。

でも、図録って重い上に、3,000円ぐらいするし……買うのってためらっちゃうマボよ。

 

この記事でも、これだけ解説の本を紹介したんだから、それで十分じゃないマボか。

図録っていうのは、その博物館や美術館に所属しているキュレーターたちが全力を尽くして作品紹介に臨む晴れの場でもあるんだ。

1つの作品紹介に対する熱量は、そこらの解説本とは比べものにならない

 

3,000円という価格設定はむしろ安いぐらいだ。

梓
ぼぼぼ!
その展覧会のテーマに沿って深掘りされた解説がされているから、自分の興味ある分野の美術の知識を深めるのにもうってつけだよ。

 

歴史や文化史の知識を深めつつ、実際に作品に触れて、その解説をしている図録を読む。

その図録に関連する知識を美術史の本と見比べながら、

前後の歴史の中でどのような変化が起きているのかを知る

 

……そうやって少しずつ裾野を広げていけば、美術鑑賞がますます楽しくなること請け合いだ。

梓
みなさんも、この記事を参考に、美術の教養の世界を回遊してみてくれ~

 

まとめ

  • 高校生向けの資料集があれば、世界史の知識で美術が楽しくなる!
  • 聖書とギリシャ・ローマ神話の知識で、西洋美術の背景への理解が深まる!
  • 美術史の流れを押さえれば、西洋美術がどのように変化したかがわかる!
  • 図録はキュレーターたちの知識の宝庫! 展覧会でちょっとでも気になったら、ぜひ購入を!

 

この記事の続きはこちらをチェックまぼ!

 

 

参考資料

  • 大島力(2010)『 図解 聖書 歴史がおもしろいシリーズ』(西東社)
  • 日下部公昭ほか編(2020)『山川 詳説世界史図録 第3版』(山川出版社)
  • 早坂優子(2006)『鑑賞のための西洋美術史入門』(視覚デザイン研究所)
  • 松村一男監修(2011)『図解 ギリシア神話 歴史がおもしろいシリーズ』(西東社)
  • マルコム・デイ、神保のぞみ訳(2006)『図説 キリスト教聖人文化事典』(原書房)