西洋美術史の流れを回遊しているところです。
今回は、解説第2弾。
ルネサンス、
マニエリスム、
バロック
について説明していくよ。
ギリシャ・ローマの「復興」ルネサンス
レオナルド・ダ・ヴィンチ
『レダと白鳥』
(ルーヴル美術館、パリ)
15世紀、古代ギリシャ・ローマよ、もう一度。
キリスト教の世界しか許されていなかったのに、
ギリシャ・ローマ神話も描かれるようになる。
彫刻の写実性が絵画にもいかされている。
より人間らしい絵画になった。
ロマネスクはもちろん、
ゴシックともぜんぜん違います。
レオナルド・ダ・ヴィンチ、
ミケランジェロ・ブオナルローティ、
ラファエロ・サンツィ。
ルネサンスの成れの果て!? マンネリズムのマニエリスム
ブロンズィーノ
『愛のアレゴリー」
( ナショナル・ギャラリー、ロンドン)
「ギリシャ・ローマの世界のような人間らしさ!」
をテーマに始まったるルネサンスも、
進化した技術そのものをより誇張するようになった。
それが、後期ルネサンスであるマニエリスム。
ざっと16世紀前半。
身体の動きが不自然になる。
あとは主題。
絵画のテーマがやりすぎのせいで、ちょっと何言ってんのかわからない。
この『愛のアレゴリー』にも、さまざまな意味が込められているんだけど……
『いびつな真珠』はドラマチック! バロック美術
カラヴァッジョ
『キリストの埋葬』
(ヴァチカン美術館、ローマ)
宗教改革なら聞いたことありますけど。
16世紀に起きた宗教改革で新興勢力のプロテスタントが勢力を増すなか、
旧勢力のカトリックも巻き返しを図ろうとした。
そんな時代に生まれたのがバロック美術。
もともとは、
「均整のとれていたルネサンス時代に比べて、表現が劇的になりすぎて違和感がある」
という批判だったらしい。
陰影表現で人目を引くドラマチックなバロック美術は、
特にイタリアやスペイン、フランスといったカトリック世界で好まれた。
まとめ
- ルネサンスでは、古代ギリシャ・ローマを理想とする人間らしい表現が数多く生みだされた。
- マニエリスムは、後期ルネサンス。技法やテーマが尖っていく時代。
- バロックでは、カトリック世界のイタリア、スペイン、フランスで、劇的な表現が生まれた。
関連記事
参考文献
- 大塚国際美術館・NHK文化センター・有光出版株式会社(1998)『西洋絵画300選』(有光出版)
- 城一夫(2012)『常識として知っておきたい「美」の概念60』(パイ インターナショナル)
- 早坂優子(2006)『鑑賞のための西洋美術史入門』(視覚デザイン研究所)
- 早坂優子(1996)『巨匠に教わる絵画の見かた』(視覚デザイン研究所)
価格:2,090円 |
巨匠に教わる 絵画の見かた【電子書籍】[ 視覚デザイン研究所 ] 価格:1,599円 |