今回は、「横山三国志」の記事の続きです。
前回までの記事はこちらをチェックしてくれ~
目次
劉備の入蜀(210年代)
請われて蜀へ
ここ漢中は、張魯(ちょうろ)の治める独立国状態となっていたんだ。
第32巻「渭水の決戦」
第6話「教門国」
益州全体を治める劉璋(りゅうしょう)は、
荊州の劉備に助けを求めた。
第33巻「蜀への隘路」
第3話「進軍」
劉備に助けを求めるだけあって、
あんまりカリスマは感じられない顔マボねえ。
第33巻「蜀への隘路」
第3話「進軍」
成都攻略戦
益州軍の劉璋と荊州軍の劉備は交戦状態になる。
第35巻「成都攻略戦」
第3話「雒城落城」
三国志がいよいよ本格的になったマボよ!
第35巻「成都攻略戦」
第7話「成都陥落」
漢中平定
いつものパターン
……と、見せかけて、漢中の張魯はまだ独立勢力マボか。
……あ、どうして荊州は灰色マボか、はて。
だが、蜀を取った後の劉備のところへやってきた呉の魯粛(ろしゅく)を、劉備は逆ギレで追い返す。
第36巻「漢中侵攻軍」
第1話「臨江亭」
勢いで押しているマボ!
いつもの「よそを取ったら荊州を返します」パターンに落ち着く。
第36巻「漢中侵攻軍」
第1話「臨江亭」
空城の計
第36巻「漢中侵攻軍」
第7話「漢中平定」
魏軍との戦いの中でも個人的ハイライトは2つ。
まずは、趙雲による空城の計。
漢中の奪回に向かう曹操には、趙雲が立ち向かうことになる。
このとき、趙雲は、門を大きく開いて旗を伏せ、進撃の合図である太鼓を鳴らすことを止めさせる。
曹操軍はその静けさに驚き、伏兵があるのではと疑って退く。
趙雲は、ここぞとばかり、太鼓を鳴らして進撃し、弩を発射して背後からも曹操軍を攻撃した。
仰天した曹操軍は漢水に落ちて大きな損害を受けた。
翌日、劉備は自ら趙雲の陣営を訪れて戦場を視察し、
「子龍の身体は、すべて肝っ玉である」
と称賛した。
渡邉義浩(2022)『横山光輝で読む三国志』潮出版社.
第39巻「漢水の戦い」
第5話「一騎馬武者」
鶏肋
そんな曹操へ、鶏のあばら骨がご飯に出される。
第40巻「漢中王劉備」
第2話「鶏肋」
「これは、漢中は捨てるには惜しいけど、撤退せよという意味だ」
と読み解いて、撤退準備が始まるんだけど……
第40巻「漢中王劉備」
第2話「鶏肋」
漢中王・劉備へ
ということで引くに引けなくなった曹操は、結果、赤壁の戦いの敗戦にも匹敵すると言われるほどの負け戦で敗退。
漢中は劉備が得ることになった。
劉備自身はあまり気乗りしなかったんだが、周りに推された結果、劉備は漢中王を名乗ることになる。
第40巻「漢中王劉備」
第3話「魏軍敗走」
第40巻「漢中王劉備」
第4話「漢中王」
しかも、なぜ漢中王?
蜀王とかでも良さそうなのに、はて。
劉備の祖先となる前漢の高祖劉邦は、秦の都である咸陽を陥落させ、一時は関中を支配下に入れた。
しかし、覇王の項羽により、漢中に追われ、漢王とされた。
そこから劉邦は、東進して垓下の戦いで項羽を討って、前漢を建国した。
漢中は、劉邦の祖業の地なのである。
そこの王になることは、漢室復興という劉備の志に近づくものであった。
渡邉義浩(2022)『横山光輝で読む三国志』潮出版社.
由緒正しき名乗りなわけマボねえ。
第40巻「漢中王劉備」
第4話「漢中王」
どうして、曹操はこんなに敵対心剥き出しマボか?
元々皇帝というのは、「王」が最高位であったところを上回る存在として生まれたもの。
ある意味、王とは、皇帝を窺うための準備にふさわしいポジションでもある。
建安二十(215)年、娘の曹節(そうせつ)を献帝の皇后に立てると、
建安二十一(216)年には、魏王の位に即いた。
このように、曹操は孫権や劉備と戦いながらも、
一方で着々と漢魏革命の準備を整えていくのである。
渡邉義浩(2022)『横山光輝で読む三国志』潮出版社.
しかも、かつて皇帝についた高祖・劉邦のエピソードをなぞった即位でもある。
劉備も昇り調子で、ますますいい感じになりそうマボねえ、はってはて♪
まとめ
- 劉備は益州に入り、蜀を手に入れる。
- 漢中を手に入れたことで、劉備は漢中王を名乗ることに
横山三国志の記事のリスト
- 横山三国志①│「桃園の誓い」から「虎牢関」まで
- 横山三国志②│「呂布」の最期から「関羽」の千里行まで
- 横山三国志③│孔明「三顧の礼」から、趙雲・張飛「長坂坡の戦い」まで
- 横山三国志④│「赤壁の戦い」/ げぇっ 関羽!
- 横山三国志⑤│「荊州」争奪戦/「呉」との争い
- 横山三国志⑥│「漢中王」劉備/空城の計/鶏肋、鶏肋……
- 横山三国志⑦│関羽/張飛/劉備|英雄たちの最期……
- 横山三国志⑧│南蛮討伐/第一次北伐/泣いて馬謖を斬る
- 横山三国志⑨│五丈原の戦い/孔明の最期・死後
参考資料
- 「ケトル」(2017) 第37号
- 横山光輝『三国志』(潮出版社)
- 渡邉義浩(2022)『横山光輝で読む三国志』潮出版社
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