それじゃあ、いろんな宗派を教えてくださーい。
目次
奈良時代に生まれた南都六宗(なんと ろくしゅう)
研究者たちの集まり
「南都六宗」
と言う。
「奈良仏教」
とも呼ばれるね。
- 華厳宗(けごん しゅう)
- 法相宗(ほっそう しゅう)
- 律宗(りっ しゅう)
- 俱舎宗(ぐしゃ しゅう)
- 三論宗(さんろん しゅう)
- 成実宗(じょうじつ しゅう)
奈良には6つの宗派があったんだな
ってことを覚えておけばいいよ。
飛鳥時代から奈良時代にかけて遣唐使船などによって、中国から多数の経典がもたらされました。
その内容はさまざまで、それを読み解くことが、僧たちに課せられた第一の任務でした。
僧たちは分担して経典やインド・中国の論書の研究にあたりましたが、
その学派が南都六宗と総称されています。
エイ出版社編(2014)
『知っておきたい日本の仏教』
(エイ出版社)
ところで、どうして奈良のことを「南都」って言うんですかあ。
南国ってわけでもないのに。
だから、南都。
つまり「南都六宗」というのは、
都が奈良から京都へ遷った平安時代以降に生まれた言葉なんだ。
「鎮護国家」思想
東大寺 廬舎那仏像
(東大寺、奈良)
「鎮護国家(ちんご こっか)」
という思想が生まれた。
仏教の力で国家を平和にしましょうという考え。
天皇が病気になったり疫病が流行ったりすると、僧侶たちが国家の安泰を祈る。
というわけですねえ。
日本中に「国分寺」ってあるけど、
あれも奈良時代に国策で生まれたお寺で、その総元締めが東大寺。
では、ここからは主な3つの宗派を見ていこう。
華厳宗:東大寺
先ほど出てきた東大寺が総本山。
ちなみに、東大寺の南大門をじっと見てみると……。
南大門
(東大寺、奈良)
「大華厳寺」。
「華厳経」
という経典の研究から生まれた宗派。
そこに出てくるのが
「廬舎那仏(るしゃな ぶつ)」。
奈良の大仏はこの廬舎那仏なんだ。
難しくて、すぐ名前を忘れちゃいそうです。
毘盧遮那仏は……太陽のように空の中心にあって一切を照らすものを意味します。
そして中国では、天下を治める皇帝は毘盧遮那仏の化身ともいわれ、その巨大な像が造られました。
エイ出版社編(2014)
『知っておきたい日本の仏教』
(エイ出版社)
法相宗:興福寺、薬師寺
五重塔と東金堂
(興福寺、奈良)
その中心になったのが興福寺。
薬師寺(奈良)
の2つが法相宗の大本山だ。
律宗:唐招提寺
唐招提寺
(奈良)
その名のとおり戒律の研究をおもにした宗派。
唐招提寺(とうしょうだいじ)が総本山。
たしかにここにも中心に「律」の文字が。
鑑真(がんじん)
のために建てられたお寺。
鑑真は、仏教者に戒律を授けるために日本へ呼ばれた。
はて。
だけど、ちゃんと免許を与えるだけの体制が日本では整備されていなかった。
その結果、無免許僧侶が横行していたんだ。
ちゃんとした僧侶を育てるために日本へやってきてくれた、
というわけだ。
壬生寺
(京都)
新撰組で有名な京都の壬生寺も、
律宗の大本山だよ。
関連性が見えてくると、なんだか楽しいですねえ。
まとめ
- 奈良仏教は「南都六宗」に代表される。
- 華厳宗の有名な寺は東大寺。
- 法相宗の有名な寺は興福寺、薬師寺。
- 律宗の有名な寺は唐招提寺、壬生寺。
関連記事
のシリーズをまとめてます。みんな、チェックしてくれ~。
参考文献
- エイ出版社編(2014)『知っておきたい日本の仏教』(エイ出版社)
価格:607円 |