今回のテーマは……
「帝国」、ですか。
結局帝国って何マボか~
世界史に出てくる「帝国」の数々
「〇〇帝国」
という名前でたくさんの国々が出てくる。
古代
『イッソスの戦い』
(ナポリ国立考古学博物館、ナポリ)
- アッシリア帝国
- ペルシャ帝国
- アレクサンドロス大王の帝国
- ローマ帝国
アレクサンドロス大王とペルシャ帝国のダレイオス3世との決戦を描いたモザイク画
として有名だ。
中世
- 東ローマ帝国(ビザンツ帝国)
- 西ローマ帝国
- 神聖ローマ帝国
395年にローマ帝国が分裂して以降、
「ローマの後継者」がいっぱい出てくるからだ。
ローマ帝国について見たい方は、こちらをチェックしてくれ~。
- モンゴル帝国
- ティムール帝国
- オスマン帝国
近世以降
ダヴィド
『ナポレオン一世の戴冠式と皇妃ジョゼフィーヌの戴冠』
(ルーヴル美術館、パリ)
- ロシア帝国
- オーストリア帝国
- フランス帝国(第一帝政、第二帝政)
- ドイツ帝国
- 大英帝国
「アウステルリッツの三帝会戦」
なんて呼ばれているね。
アウステルリッツの三帝会戦
『ナポレオン-獅子の時代-』より
意外と、「帝国」っていうのはいろいろなところにあるんだ。
「帝国」の定義
ただ、
「多民族や複数の王国などを束ねる存在」
という考えはしばしば使われるね。
「帝国」とは歴史上に存在した諸帝国を表すと同時に、
近年は現代における超大国などをも意味する用語として、広く使われている。
(中略)
帝国を「大きな原理によって他民族・多言語・他宗教の人々を統合する版図の大きな国家」と定義しておきたい。
軍事力や権力だけでは、どれほどの専制や圧政が行われたとしても、帝国は維持できない。
広大な地域で多様な人々が統治される以上、それらの人々を包摂しうる原理が必要である。
小杉秦(2016)
『興亡の世界史 イスラーム帝国のジハード』
(講談社学術文庫)
「帝国(エンパイア)」とは、ラテン語で支配権あるいは統治権などを意味する「インぺリウム」に由来する語である。
ローマ時代に淵源を持つこのインぺリウムという概念は、古代末期より徐々にその意味を変容させてゆき、
広範な領域を支配する国家
という意味で用いられるようになった。
これがすなわち「帝国」である。
もちろん、オスマン帝国は「インぺリウム」ないしはそれに由来する国号を積極的に称したことはないから、この呼び方にも問題がないわけではない。
とはいえ歴史的な「帝国」という用語の成り立ちはともかく、
洋の東西を問わず、複数の地域を支配する広大な国家に対して歴史研究者が「帝国」という語をあてるのは、しばしばみられる用例である。
その意味において、「オスマン帝国」という呼称は、おそらくもっとも適切な呼び方だと思われる。
小笠原弘幸(2018)
『オスマン帝国 繁栄と衰亡の600年史』
(中公新書)
東西どの帝国も「多民族を支配した」という考えが共通することは多いんだ。
さて、今回はここまで!
まとめ
- 各時代や地域にさまざまな「帝国」が同時に存在した。
- 「帝国」とは多民族や複数の王国などを束ねる存在
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参考文献
- 小笠原弘幸(2018)『オスマン帝国 繁栄と衰亡の600年史』(中公新書)
- 小杉秦(2016)『興亡の世界史 イスラーム帝国のジハード』(講談社学術文庫)
- 長谷川哲也(2003)『ナポレオン-獅子の時代-』(少年画報社)