この教養回遊記でも神社やお寺の話はよくでてきますが……。
まずは、神社から。
目次
何を拝むのか
カラヴァッジョ
『キリストの埋葬』
(ヴァチカン美術館、ヴァチカン)
現代の私たちはキリスト教を連想しがち、
だけどそうじゃなくて……。
春斎年昌
『岩戸神楽之起顕』
さて、詳しく見ていこう。
日本古来の神さまを拝む
『古事記』に出てくるような神さまは多くの神社で祀られているね。
神宮
(三重)
出雲大社
(島根)
そして、「出雲大社」の読み方は「いずもおおやしろ」だよ。
出雲大社では「大国主命(オオクニヌシノカミ)」を、
それぞれ祀っているね。
どちらも、日本古来の重要な神々だ。
出雲大社のことをもっと知りたい方はこちらの記事をチェックしてくれ~
神になった人々を拝む
東照宮
(栃木)
武田神社
(山梨)
武田神社は武田信玄を
それぞれ祀った神社だ。
残された人たちが特別な気持ちで拝もうと思えばその人間は「神」になる、
ということだね。
ちなみに、日光東照宮の正式名称は……。
有能だから気づいたまぼよお。
自然を拝む
古代の人々は、神様は一つのところにいつもいらっしゃるわけではなく、お祭りなどのときにお呼びして来ていただくものと思っていました。
そのとき、神様は美しい木々や山、岩などに宿られると考えられていたのです。
神社本庁(2012)
『神社のいろは』
(扶桑社)
大神神社
(奈良)
だから、神さまそのものではないんだけど、神さまのいる場所として木々や山を大切に扱った、というわけだ。
木や岩に注連縄(しめなわ)を巻いているのも、神聖なご神体として大切に扱っている証拠だ。
特に歴史の古い神社では自然物をご神体としている。
例えば、日本最古の神社とも言われる大神神社(おおみわ じんじゃ)では、三輪山がご神体。
「一柱(ひとはしら)・二柱(ふたはしら)・三柱(みはしら)……」
と数える。
「柱」という字は「木」と「主」からできています。
「主」は「そこにじっと立っている、支える」という意味です。
古く『古事記』や『万葉集』の時代から、日本では樹木に神様が宿ると考えていました。
さらに、人間は土の中から植物のように生まれ育ったと考えられていて、
「人間一人」の別称に「ひとつぎ木」
という表現を用いて歌を詠んだりしていました。
そこから、樹木が敬意を払う対象となり、ご神体、神像などを「柱」で数えることにつながりました。
飯田朝子(2016)
『日本の助数詞に親しむ―数える言葉の奥深さ―』
(東邦出版)
参拝方法
まずは鳥居を通るけど……
防府天満宮
(山口)
- 鳥居をくぐるときは、まずはお辞儀
- 参道の中央は歩かず、橋を歩く:中央は神さまの通り道
手水舎でお清め
手水
(武田神社、山梨)
水は大切なものだから、柄杓にすくった一杯の水で、次の動作を全てこなすよ。
- ①右手で水を汲む
- ②左手を清める
- ③右手を清める
- ④左手に水を溜める
- ⑤左手の水で口を清める
- ⑥残りの水で柄杓の柄(え)を清める
拝む
拝殿
(石上神宮、奈良)
出雲大社だと、二拝・四拍・一拝
「二礼・二拍・一礼」
じゃないんですか。
90度が「拝」、
45度ぐらいが「礼」、
15度ぐらいが「揖(ゆう)」
お辞儀の深さで、敬意が異なる。
神さまに拝むわけだから、一番敬意を表す「拝」で腰を折るということ。
「これからお参りしますので、よろしくお願いします」
という意味を込めて、まずは軽く腰を折る「揖」からスタートするよ。
- ①揖をしてからスタート
- ②鈴を鳴らし、お賽銭を賽銭箱へ
- ③ゆっくりと二拝
- ④柏手(かしわで)を二拍手(右手の先端で、左手の中心を叩く)
- ⑤再び一拝
- ⑥最後に揖で終わり
まとめ
- 神社では、「日本古来の神々」「神さまになった人々」「神さまが宿る自然」を拝む
- 鳥居をくぐるときはお辞儀をしてから、参道の中央は歩かない
- 手水舎でのお清めを忘れずに!
- 二拝・二拍・一拝で参拝。最初と最後は一揖も
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参考文献
- 飯田朝子(2016)『日本の助数詞に親しむ―数える言葉の奥深さ―』(東邦出版)
- 神社本庁(2012)『神社のいろは』(扶桑社)
- 東條英利(2013)『神社の基本』(エイ出版社)
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