今回のテーマは、2022年に開催される、
「スコットランド国立美術館展」です。
スコットランド国立美術館は、上質で幅広い、世界でも指折りの西洋絵画コレクションを有する美の殿堂です。
1859年の開館以来、
購入や地元名士たちの寄贈や寄託などによってコレクションの拡充を続け、
世界最高峰の美術館の一つとなりました。
本展は、そのようなスコットランドが誇る至宝の中から、
ラファエロ、エル・グレコ、ベラスケス、レンブラント、ブーシェ、スーラ、ルノワールなど、
ルネサンス期から19世紀後半までの西洋絵画史を彩る巨匠たちの作品を展示します。
さらに、同館を特徴づけるゲインズバラ、レノルズ、ターナー、ミレイといったイングランド出身の画家に加え、
日本ではなかなか見ることのできないレイバーン、ラムジー、グラントなどスコットランド出身の代表的な画家たちの名品も多数出品。
油彩画・水彩画・素描約90点を通じ、西洋美術の流れとともに、
ヨーロッパ大陸と英国との文化交流から、英国美術がはぐくまれた様子を紹介する機会にもなることでしょう。
美術史に輝く巨匠たち(THE GREATS)の競演をお楽しみください。
「スコットランド国立美術館 THE GREATS 美の巨匠たち」より
(2022年6月25日閲覧)
※東京都美術館では、2022年4月22日(金)~7月3日(日)公開
神戸市立博物館では、2022年7月16日(土)~ 9月25日(日)公開
北九州市立美術館では、2022年10月4日(火)~11月20日(日)公開
今回は、「スコットランド国立美術館展」で展示されている名品をピックアップしていくよ。
目次
祝福するキリスト(世界の救い主)
エル・グレコ『祝福するキリスト(世界の救い主)』
なぜなのでしょう……みなさんは、どう思われますか?
卵を料理する老婆
ディエゴ・ベラスケス『卵を料理する老婆』
「ボデゴン」でしたっけ?
アン・エミリー・ソフィア・グラント、(ウィリアム・マーカム夫人)
フランシス・グラント『アン・エミリー・ソフィア・グラント、(ウィリアム・マーカム夫人)』
グラント本人が亡くなる最後まで、手元に置いていたそうだよ。
結婚の門出を迎える愛娘を美しい姿で保存しようと描いた作品の背景が、スコットランドの厳しい寒さだったのはなぜだろうか。
寂しい風景だからこそ、娘の美しさが際立つのだろうか。
あるいは、彼らが育った原風景そのものを残しておこうとしたのだろうか。
想像すると楽しい。
古来比類なき甘美な瞳
ジョン・エヴァレット=ミレイ『古来比類なき甘美な瞳』
本当、かわいい女の子を描きますよねえ。
※参考:ジョン・エヴァレット=ミレイ『オフィーリア』
(テート・ブリテン、ロンドン)
「どこか暗い」
と言っても、さっきの、フランシス・グラントの厳しい寒さとは全く違う。
スコットランド国立美術館の内部
水彩に目を奪われる
アーサー・エルウェル・モファット『スコットランド国立美術館の内部』
生で見ると、もっと驚きが感じられるかもしれませんねえ。
直線と三次元
この絵を観たら、最初にどこへ目がいったかな?
中央の彫像と、これを隣でデッサンしているご婦人、ですかねえ。
しかし、この大理石を中心に「奥行き」を感じてほしいんだ。
天上のアーチも相まって、途端に奥行きが感じられました!
さて、今度は、これにクロスするような、もう一つの直線を感じてほしいんだけど……。
中央の彫像→デッサンする女性①→デッサンする女性②
床の台→中央の彫像→左奥の胸像
と、2つの直線が伸びているようです!
最初は、中央の彫像とご婦人で、「平面っぽい感じ」と思ったのに、不思議ねえ。
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