今回は、小樽のステンドグラス美術館の記事の続きです。
小樽芸術村・ステンドグラス美術館①|磔刑図と賛美歌から読み解く光の美術館
前回までの記事はこちらをチェックしてくれ~
四人の聖人伝
四人の聖人伝
英語読みだとジョージだね。
竜を倒している人マボね!
セラフィム・ケルビム
『奏楽の天使(部分)』
それぞれのパネルの下部には、
6枚羽根の天使セラフィム(熾天使)と、ケルビム(智天使)が描かれています。赤は神への完全な愛、
青は完全なる知恵と理解を表すといわれています。志田政人(2016)『小樽芸術村 ステンドグラス美術館(旧高橋倉庫)ガイドブック』、
ニトリパブリック、p.47。
原画の展示でも見ることができるよ。
聖クリストフォルス
聖クリストフォルス
右のパネルは聖クリストフォルスがイエスを肩にのせて川を渡っている場面です。
伝説によるとクリストフォルスはカナン、つまり現在のパレスチナ出身の大男でした。
この世で一番強いものに仕えたいと思い、
偉大と言われる王達を尋ねましたが、皆悪魔の話を聞くと震え上がりました。そこで悪魔の家来になったクリストフォルスは、
十字架を怖れる悪魔を見て、
本当に強いのは十字架に架けられたイエスであると考えました。その後、川渡しをしながらイエスに出会えるのを心待ちにしていましたが、
ある日、小さな子供に川を渡してほしいと頼まれて入水したところ、
川の途中まで来たところで、子供がものすごい重さになりました。危うく溺れかかってようやく向こう岸に着くと、
目の前にイエスが立ち
「世界の創造主を運んだのだ」
と告げられます。クリストフォルスとは
「キリストを担う者」
という意味です。志田政人(2016)『小樽芸術村 ステンドグラス美術館(旧高橋倉庫)ガイドブック』、
ニトリパブリック、p.41。
エピソードからいかにも後付けした名前のような感じが……。
この人を見よ 神を見よ 聖人達
この人を見よ 神を見よ 聖人達
ここでは「人としてのイエス」と「神としてのイエス」を表したパネルを中心に左右4枚のステンドグラスを展示しています。
(中略)
中央の2枚は両方ともイエスが描かれています。
左には茨の冠をかぶせられ、手を縛られた姿のイエスが、
右には豪華な衣装をまとって十字架のついた球体、
つまり教会の権威を手にしたイエスが祝福の姿で立っています。それぞれのパネルには
Ecce Homo(エッケ ホモ)この人を見よ、
Ecce Deus(エッケ デウス)神を見よ、
と書かれていて、
磔刑に架けられる前に公衆の面前で罪を問われたイエスと、
磔刑後に復活して、聖天したイエスを並べて表しています。祝福の形をとるイエスの右手には、はっきりとスティグマータ(聖痕)が見られます。
志田政人(2016)『小樽芸術村 ステンドグラス美術館(旧高橋倉庫)ガイドブック』、
ニトリパブリック、pp.42-44。
って、どういうことマボか?
手には釘が刺されていたよね。
そのときの釘の痕が残っている、ということ。
十字架のキリスト
十字架のキリスト
「ナザレのイエス、ユダヤの王」
という意味で、
イエスを処刑する理由(政治犯としての罪状)を示すために掲げたもの。
磔刑図にはセットで出てくるフレーズだ。
初期キリスト教美術では2本の足それぞれに刺していることが多い。
一方、近世以降は両足を重ねて、1本の釘で刺す描写が西洋絵画・彫刻で主流になった、
3本の釘(手・手・足)で、キリスト教における重要な三位一体(Father/Son/Holy Spirit) の象徴としたり、
足を重ねて1本の釘にすると、キリストの身体がより一体感を持って見えたり、
といった理由でこのような表現が好まれたようだね。
その背景にある文脈も理解することで、
より楽しく美術館が回れますねえ。
まとめ
- 小樽芸術村ステンドグラス美術館では、聖ゲオルギウスや聖クリストフォルスなど、キリスト教の聖人伝がステンドグラスで表現されている。
- セラフィムやケルビム、スティグマータなどの象徴を通して、イエスの人間性と神性の両面が読み取れる。
- 磔刑図やINRIの文字など、細部の表現からキリスト教美術の意味や時代ごとの解釈の違いが理解できる。
参考資料
- 志田政人(2016)『小樽芸術村 ステンドグラス美術館(旧高橋倉庫)ガイドブック』、ニトリパブリック。
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