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今回は、幕末から明治にかけての”奇想の画家”である河鍋暁斎を見ています。……
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【河鍋暁斎】① 猫又/仏画/水墨画╿”奇想の系譜”の天才絵師
前回までの記事はこちらをチェックしてくれ~
![梓](https://hatehatemanbou.com/wp-content/uploads/2020/03/00_プロフィール画像(梓).jpg)
地獄太夫
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いずれも『地獄太夫と一休』
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一休というのは、あの一休さんマボか。
これらは、一休和尚と、とある遊女・地獄太夫を題材とした作品なんだ。
![梓](https://hatehatemanbou.com/wp-content/uploads/2020/03/00_プロフィール画像(梓).jpg)
室町時代、和泉国(大阪府)堺の高須町の遊郭にいたという遊女・地獄太夫と一休和尚を主題にした一作。
一休がこの地を訪れた際、
彼女と連歌問答をしたことを機に
彼女は一休の教えについて悟りを開いたという。
及川茂監修(2017)
『これぞ暁斎!展』
彼女は元々身分ある出自であったが、
没落し苦界に身を置くようになった原因は前世の悪行にあると考え、
自ら「地獄太夫」を名乗ったという。
大変人気の高い画題で、暁斎の落款の作品が何図も確認されている。
(中略)
打掛には七福神、珊瑚、寿の文字などがあしらわれており、
地獄の業火や賽の河原などの地獄の要素も含まれている。
上品に佇む太夫とは対照的に、骸骨の演奏に合わせて踊り狂う陽気な一休と小さな骸骨たち。
極楽も地獄も紙一重という、暁斎ならではの死生観が表れている。
及川茂監修(2017)
『これぞ暁斎!展』
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『暁斎楽画 第九号 地獄太夫』
(河鍋暁斎記念美術館)
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本図は地獄太夫が骸骨の遊戯を夢に見ているところを描いたもの。
(中略)
本図の見どころは何といっても骸骨のしぐさの見事な描写だ。
墓石を盗んで運んだり、
琴や三味線を弾いたり、
囲碁に興じたり、
酒を飲んだり踊ったりと、
何とも賑やかな骸骨たちだ。
湯原公浩編(2008)
『別冊太陽 河鍋暁斎 奇想の天才絵師』
(平凡社)
一休は「聞きしより 見て美しき 地獄かな」
(聞いていたよりも随分と美しいな 地獄というものは)
と歌うと、
地獄太夫は「生きくる人の 落ちざらめやは」
(生きている人でこの地獄に落ちない人なんていませんからね)
と返す。
![梓](https://hatehatemanbou.com/wp-content/uploads/2020/03/00_プロフィール画像(梓).jpg)
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ここがこの世かあの世か、わからなくなってしまうような作品マボねえ。
「地獄」の中のユーモラスさ
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『閻魔大王浄玻璃鏡図』
(福富太郎コレクション資料室)
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地獄の閻魔王庁で、生前の善悪の所行を映し出すといわれるのが浄玻璃鏡である。
多くの場合、生前の悪業が映し出されるのだが、
この女性は信仰が篤いせいか美しい姿がそのまま映し出されている。
浄玻璃鏡が普通の鏡になってしまったかのようである。
さすがのエンマ大王も困惑してしまった。
鏡の調子が悪いのではないかと鏡を覗き込んでいるところだ。
次の罪人を引き連れてきた獄卒も浄玻璃鏡の不調に驚いて目をみはっている。
湯原公浩編(2008)
『別冊太陽 河鍋暁斎 奇想の天才絵師』
(平凡社)
がいこつ と トカゲ
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『風俗鳥獣画帖」第十四図「髑髏と蜥蜴」
(個人蔵)
『風俗鳥獣画帖」より
「髑髏と蜥蜴」。
![梓](https://hatehatemanbou.com/wp-content/uploads/2020/03/00_プロフィール画像(梓).jpg)
とくに一度見たら忘れられないインパクトがあるのが「髑髏と蜥蜴」で、
静かな月夜に、地面に置かれた髑髏の目の間を
一匹の蜥蜴が通り抜けている。
サントリー美術館(2019)
『河鍋暁斎 その手に描けぬものなし』
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でも、暁斎は何を思ってこんな絵を描いたマボかねえ。
死について考えさせられるような、音もない静かな月夜を描く。
あんなにふざけて眺めていた地獄だったけれども、
いざ現世に立ち戻ると、
私たちは死についてどう考えるべきなのかと問いかけてきているようでもあり、
そうやって頭を使っていろいろ考えず、すなおに生きればいいんだと言っているようでもあるね。
![梓](https://hatehatemanbou.com/wp-content/uploads/2020/03/00_プロフィール画像(梓).jpg)
まとめ
- 一休さんと地獄太夫に関する画題を、極彩色の豊かな世界観で暁斎は描いた
- 一方で、静かな月夜の「骸骨と蜥蜴」のような世界観も
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こっちはなんだかスケールが大きくて……とにかくチェック、チェックマボよ~
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参考資料
- 及川茂監修(2017)『これぞ暁斎!展』
- 湯原公浩編(2008)『別冊太陽 河鍋暁斎 奇想の天才絵師』(平凡社)
-
サントリー美術館(2019)『河鍋暁斎 その手に描けぬものなし』
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