『四季』「夏」
『黄道十二宮』
『スラヴ叙事詩』 「原故郷のスラヴ民族」
「アルフォンス・ミュシャ」
について見ていくよ。
目次
アール・ヌーヴォーとは
「アール・ヌーヴォー」
って何マボか。
ボジョレー・ヌーヴォーの親戚マボか。
英語に訳すと”New Art”、すなわち「新しい芸術」という意味だ。
ちなみにボジョレー・ヌーヴォーは「ボジョレー地区の新しいお酒」という意味で、こちらでも「ヌーヴォー」は「新しい」という意味だね。
モエ・エ・シャンドン ドライ・アンペリアル(シャンペンメーカー)のポスター
その特徴は、当時の機械・直線主義に対して、
主に植物や花をモチーフに、
日本の浮世絵や絵画に啓発された自由な曲線を駆使して表現する装飾性であった。
モチーフには波、火、炎、風にそよぐ樹々、蛇、孔雀、鶴、蘭、百合、バラなどが用いられ
「細くて、くねくね」とした病的な曲線で表現された。
この様式は、建築、室内デザイン、家具調度、工芸品、宝飾品、挿絵、ポスターなど、各分野に採用された。
城 一夫(2012)
『常識として知っておきたい「美」の概念』(PIE)
フランスで活躍したチェコ出身の画家
「ミュシャ」とはフランス語の発音で、チェコ語では「ムハ」という。
てっきり、フランスの人なのかと思ってましたマボ。
ミュシャはイラストレーターとして、多くの企業のポスターや、演劇のポスターを手掛けたんだ。
ジョブのポスター
煙草の巻紙のイメージが女性の髪にも表れているようだね。
「ジスモンダ」のポスター
ミュシャが有名になったのは、このフランスの大女優の舞台宣伝のポスターを手がけるようになったからなんだ。
「ジスモンダ」のポスターを出世作とした後、ミュシャはベルナールの舞台劇の数々のポスターを手がけることとなる。
彼女のためにさまざまな舞台衣装やポスターが作られた。
「アール・ヌーヴォー」という芸術運動は彼女のためにあったと言っても過言ではないかもしれない。
2つの美術館
プラハ・ミュシャ美術館
展示は七つのセクションに分かれています
装飾パネル;
パリ時代のポスター
装飾資料集
チェコ時代のポスター
絵画作品
素描画とパステル画
写真と所縁の品
展示はアルフォンス・ミュシャの生涯と作品についての印象的なドキュメンタリ映画で締めくくられます。
ミュシャの親族による個人所蔵だったために、多くの展示品が初公開となっています。
堺 アルフォンス・ミュシャ館
堺市は、株式会社ドイの創業者 故土居君雄氏(1926-1990)が収集した約500点にのぼるアルフォンス・ミュシャの作品を所蔵しています。
土居氏はミュシャの実息ジリ・ミュシャ(イジー・ムハ)氏との公私にわたる親交によって、
ミュシャの祖国(現チェコ共和国)では観ることができない大型の油彩画や下絵など、
貴重な作品を加えた厚みあるコレクション形成に尽力し、
1989年にチェコスロヴァキア文化功労最高勲章を授与されました。
氏の没後、コレクションは堺市に寄贈され、
1994年よりポルタス堺アルフォンス・ミュシャ・ギャラリーにて、
2000年より当堺市立文化館アルフォンス・ミュシャ館にて展示公開されています。
代表作
四季
これはミュシャが最初に手がけた装飾パネル画であり、最も人気を呼んだ作品である。
(中略)
四季のテーマは擬人化に向いており、
ミュシャは季節の雰囲気ー清らかな春、けだるい夏、実りの秋、凍てつく冬ーを完璧にとらえている。
ミュシャ・リミテッド編(2011)
『ミュシャART BOX 波乱の生涯と芸術』
(講談社)
椿姫
『椿姫』のポスター
この美しいポスターは、
娼婦のカミーユが、結核で亡くなることによって、
結婚の約束から恋人を解放するという、悲劇を劇的に描いている。
ヒロインは、銀色の星を背景に、弱々しく手すりにもたれかかっている。
彼女の好きな椿の白い花が強調されて描かれており、
彼女の髪を飾っているほか、
下方では運命の手が椿をつかむことによって、死を暗示している。
椿の滑らかな茎は、上方に描かれている棘の多いバラの花と対照的である。
心を刺すバラの棘は、この芝居の中心テーマである愛の究極の犠牲を思わせるものだ。
ミュシャ・リミテッド編(2011)
『ミュシャART BOX 波乱の生涯と芸術』
(講談社)
スラブ叙事詩
「ボヘミア王プシェミスル・オタカル2世」
「ベツレヘム礼拝堂で説教をするヤン・フス師」
「ロシアの農奴制廃止」
人物のアップでもないですし……はて。
チェコに留まらないスラヴ民族の伝承・神話・歴史を描いた。
4 x 5メートル~6 x 8メートルの大作が並んでいる。
ミュシャが望んだのは、スラヴ民族の歴史的に重要なエピソードを描くことにより、
未来の世代に、清廉と勇敢と理想主義と信念を教えることであった。
人間としても芸術家としても同じ精神をもっていたので、
彼の生涯と作品は、世界中で反応を引き起こし、国境を越えて広がってゆく。
ミュシャ・リミテッド編(2011)
『ミュシャART BOX 波乱の生涯と芸術』
(講談社)
ステンドグラスの中のミュシャ
プラハ城 聖ヴィート大聖堂
中を進んでいきますと……。
プラハから電車で2時間ほど離れた町であるクトナーホラの聖バルバラ教会でも、
ミュシャの影響が見て取れる。
聖バルバラ教会のステンドグラス
まとめ
- 19世紀末から20世紀初頭にかけてフランスで沸き起こった芸術運動「アール・ヌーヴォー」を代表する画家がミュシャ
- 企業のポスターや、フランスの大女優サラ・ベルナールの舞台ポスターで一躍有名に!
- スラヴ民族の歴史や神話を描いた大作『スラブ叙事詩』も。
参考資料
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城 一夫(2012)『常識として知っておきたい「美」の概念』(PIE)
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ミュシャ・リミテッド編(2011)『ミュシャART BOX 波乱の生涯と芸術』(講談社)
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