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今回の内容は……
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学びなおす算数
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でも、前半部分のかけ算・わり算などに関する部分を読むだけでも、算数に関する教養が深まっておススメだよ。
というわけで、この記事では比較的とっつきやすい内容を見ていこう。
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掛け算の意味
かけ算の順序問題
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たとえば、
「3冊の本を5人に分けるとき、何冊の本がいりますか」
という問いに対して、
「回答が3×5=15でも5×3=15でも、どっちでもいい」
というのと、
「いや、文章の順番を守って3×5=15だけを認めるべきだ」
という考えが対立することがある。
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例えば、1つぶんの数×いくつ分で求まるかけ算の文章問題では、
「6人のこどもに、1人4こずつみかんをあたえたい。みかんはいくつあればよいでしょうか。」
という設問に対する、
「(しき)6 × 4 = 24(こたえ)24 個」
という解答を不正解にすべきかどうかが問題となる。
日本の小学校では、1つぶんの数×いくつ分の順序で書かれている式のみを正解とする採点方針が散見され、式を不正解とし答えを正解とすることがある。
(中略)
日本の小学生向け教科書、学習参考書に例示されている式は
「1つぶんの数×いくつ分」
の順序にほぼ統一されている。
逆の順序に書かれた式を不正解とみなす記述は、
各社の教科書指導書および一部の教科書・学習参考書に見られる。
しかし、文部科学省による学習指導要領および指導要領解説では順序は規定されておらず、
文部科学省は新聞の取材に対して採点方針は学校現場に裁量があるとしている。
(2021年4月1日閲覧)
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さて、『学びなおす算数』を通すと、この問題にどのような回答を与えられるだろうか。
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掛け算の交換法則
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掛け算を「足し算の繰り返しである」と考えている方は少なくないようです。
(中略)
しかし、掛け算を累加だけで認識してしまうと、あとで困ることになります。
次のような子どもの質問の答えに窮することになるでしょう。
「4×0.5とか4×1/2は掛け算なのに、何で量が小さくなるの?」
「4に0をかけると、なぜ答えが0になるの? 4を0回足しても4じゃないか」
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a×b=b×aと習ったことかと思う。
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(「4×0.5とか4×1/2は掛け算なのに、何で量が小さくなるの?」
「4に0をかけると、なぜ答えが0になるの? 4を0回足しても4じゃないか」
に対し……)
これらは、掛け算の交換法則で説明できます。
4×0.5=0.5×4であり、4×0=0×4です。
「計算の順序を逆にしたらどう?」で、素朴な疑問は解決です。
それ以上の説明は不要なのではないでしょうか。
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数学的な定義は決まっているのに、それ以上議論の余地はない。
実際、小林さんは別の著書の『数とは何か』でも、
「特定の順序で書かなくてはならないと思う人が多くて困る」
という内容のことを言っている。
しかし、「いやいやそれでも」と反論する人は多い。詳しい議論の経緯は、wikipediaが調べやすいので興味がある人は一度読んでみてね。
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九九を全て覚える必要はない
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小学校で一生懸命覚えてきたのはなんだったマボか~
「に・さん・が・ろく(2×3=6)」を覚えたら、
「さん・に・が・ろく(3×2=6)」を覚える必要はない。
前後を入れ替えればいいだけだからね。
これは計算力を身につけることにもつながるとされている。
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一般的に「小さい数×大きい数」のほうが覚えやすいでしょう。
また1の段も省いてしまえば、81個ではなく36個だけ覚えれば足りてしまいます。
分数は「整数の除法の結果」ではない!
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「除法」はわり算のこと。
わり算をしたときに出てくるのが、「商」と「余り」だね。
たとえば、
5÷3=1余り2
となる。
ここでは、答えの「1」が商、「2」が余りだね。
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(前略)文部科学省「学習指導要領解説」の第4学年の解説に次のような記述がありました。
「分数の意味は、その観点の置き方によって様々なとらえかたができる」
といって、2/3を例にいくつか例示しているのですが、その5番目の
「整数の除法「2÷3」の結果(商)を表す」
というものです。
これは数学的には、まったく間違った記述です。
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分数が除法の結果(商)であるなどと認めると、おかしなことが起こってきます。
11÷3は、商が3で余りが2であり、22÷6は、商が3で余りが4となります。
余りが異なるので、異なった割り算です。
しかし、分数で表すと、11/3=22/6が成り立っています。
「11/3=22/6」
で一緒になる。
だけど、わり算(除法)で考えると、
・11÷3=3余り2
・22÷6=3余り4
で、これらは違うものだ。
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興味のある人はどうぞ。
![梓](https://hatehatemanbou.com/wp-content/uploads/2020/03/00_プロフィール画像(梓).jpg)
なお、数学的な整数の除法は、次の原理にもとづく定理(除法の原理)によります。
「aを任意の整数とする。
b>0も整数とする。
このとき、次の式が成り立つ整数qとrが、ただ1組存在する。
a=qb+r 0≦r<b 」
累乗の計算
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累乗……はて、思い出せない。
たとえば3⁴だと、3を4回かけるから、
3⁴=81
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思い出してきたマボよ~ひっひっひ
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累乗の計算について、ほとんどの人はaⁿなら、aをn回かけると記憶しています。
たとえば、2⁴=16なら「2を4回かけること!」という具合です。
(中略)
2⁴の計算を、2を4回かけるとしか理解していないのでは、
子どもから「0乗は何で1なの?」と質問されて、おそらく答えらえないと思います。
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「とにかく、0乗は1だって覚えなさい!」
と無理やり暗記させられたような……
いちばん簡単な説明方法としては、
「累乗の計算は、先頭に1が隠れている」
あるいは「2⁴で、2を4回かけるために、先頭に1をおけばよい」
という言い方です。
2⁴=1×2×2×2×2ということです。
こうすれば、2⁴は、1に2を4回かけることができます!
ここが理解できれば、0乗の説明も簡単です。
2⁴以下、2³、2²、2¹、と順番に見ていきましょう。
2⁴=1×2×2×2×2
2³=1×2×2×2
2²=1×2×2
2¹=1×2
2⁰=1
1に2を0回かけるというのは、何もかけないと同じことですから、2⁰=1となるわけです。
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まとめ
- かけ算の交換法則を踏まえる、「かけ算の順序」はどちらでもよい。ただ、論争もあることに注意。
- 「分数」と「わり算」は一緒ではない!
- 累乗は、先頭に「1」が隠れていると考えると理解しやすい。
参考資料
- 小林道正(2012)『数とは何か?―1、2、3から無限まで、数を考える13章』(ベレ出版)
- 小林道正(2021)『学びなおす算数』(ちくま新書)
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