【奇想の系譜】① 岩佐又兵衛/狩野山雪╿桃山~江戸時代初期

こんにちは、はてはてマンボウです。

 

今回はなんでも

 

ヘンな絵ばっかり描いている日本美術の画家

 

についてのお話だと聞いています。

ヘンな絵、はヘンな絵だけどね。

 

テーマは『奇想の画家』だ。

梓
マンボウでもわかるように、今回もよろしくお願いしますよ。

 

「奇想の画家」ってなんですか?

奇想の画家というのは、簡単に言うと、

 

江戸時代におけるアウトサイダー・アーティスト

 

のことだ。

梓
アウトサイダー・アーティスト?
本流から外れた芸術家ってことだよ。
梓

 

狩野永徳

『唐獅子図屏風』

(三の丸尚蔵館、東京)

 

江戸時代には、

 

室町時代や桃山時代から続く

 

『狩野派』『土佐派』

 

と言われる伝統的な画家たちがいた。

 

「本流」の人たちだね。

梓
この唐獅子は歴史の教科書にもよく載ってますよねえ。

 

円山応挙

『孔雀牡丹図』

(相国寺、京都)

 

加えて江戸時代には

 

琳派、

 

円山派、

 

などといわれる新興の流派もいた。

梓
円山応挙(まるやまおうきょ)の孔雀は、

 

なんだか日本の昔の絵画のイメージと違って、写実的ですね。

円山応挙は西洋画の勉強をしていたみたいだからね。

さて、こんな具合にいくつかの流派があったわけなんだけど、

 

そこにジャンル分けできない画家がいるんじゃないというのが指摘される。

 

それが奇想の画家

梓

 

伊藤若冲

『旭日鳳凰図(きょくじつほうおうず)』

(三の丸尚蔵館、東京)

 

1969年に出された辻惟雄の『奇想の系譜』で、

 

アバンギャルドな画家たちが取りあげられた。

梓

 

  • 岩佐又兵衛(いわさ またべえ)
  • 狩野山雪(かのう さんせつ)
  • 伊藤若冲(いとう じゃくちゅう)
  • 曽我蕭白(そが しょうはく)
  • 長澤芦雪(ながさわ ろせつ)
  • 歌川国芳(うたがわ くによし)

 

最近は、これに次の画家たちを加えることもある。
梓

 

  • 白隠慧鶴(はくいん えかく)
  • 狩野一信(かのう かずのぶ)
  • 河鍋暁斎(かわなべ きょうさい)
  • 月岡芳年(つきおか よしとし)

 

さて、前置きはこの辺にしておいて、

 

次は桃山時代の日本画家たちを紹介していこう。

梓

 

17世紀:桃山時代から江戸時代へ

岩佐又兵衛:まるでコミック!?

岩佐又兵衛(いわさまたべえ)は、

 

織田信長配下だった戦国武将・荒木村重(あらきむらしげ)の子ども。

梓
へえ、

 

武将の子どもなのに、

 

画家になったと。

荒木村重って、織田信長に反乱を起こした人だからね。

 

一族郎党ひどい目に遭っている。

 

そんな中、絵画で身を立てていったわけだ。

梓
1人目から、なかなかディープな境遇の人が出てきましたよ、こりゃ。

 

岩佐又兵衛

『山中常盤物語絵巻(やまなかときわ ものがたりえまき)』

(MOA美術館、静岡)

 

岩佐又兵衛の絵は、登場人物に個性がある。

 

というか、『岩佐又兵衛のキャラクター』になる

 

みんな下膨れがあってね。

梓

 

 

ある意味、あだち充先生みたいですねえ。

 

狩野山雪:正統派の中で放つ静かで激しい個性

狩野派の人間はもともと関西で活躍していたけれど、

 

狩野永徳の子・光信(みつのぶ)

 

の代になると、徳川の治世になると江戸へごっそり連れていかれる。

梓
ありゃま、

 

関西はどうなっちゃうんですか。

狩野永徳の弟子の一人・狩野山楽(かのうさんらく)

 

を祖とする

 

「京狩野(きょう かのう)」

 

が残った。

梓

 

狩野山雪

『梅花遊禽図襖(ばいかゆうきんずふすま)』

(天球院、京都)

 

その京狩野の2代目当主となったのが

 

狩野山雪(かのうさんせつ)

梓
あれ、奇想の画家はアウトサイダーって言ってましたよね。

 

狩野派なんて、バリバリの有名どころじゃないですか、マボ。

この乱れるような梅の枝のうねりを見てほしい。

 

動きは激しい、

 

なのに屏風の中にはきちんと納まっている。

 

この激しさと秩序の整合性がすばらしい。

 

同時代の、

 

江戸の狩野派を継いだ狩野探幽(たんゆう)の絵画

 

と比較してみよう。

梓

 

狩野探幽

『松鷹図』

(二条城 二の丸御殿、京都)

 

狩野山雪

『梅花遊禽図襖(ばいかゆうきんずふすま)』

(天球院、京都)

 

上が江戸の狩野探幽、

 

下が京都の狩野山雪。

梓
どっちも上手ですけど、違いがはっきりしてますねえ。

 

狩野山雪の、

 

この乱れるラインの使い手としての立ち位置が、

 

奇想の画家というわけですか。

 

まとめ

  • 流派にジャンル分けできない独特の画家が「奇想の画家」!
  • 岩佐又兵衛:コミックのような個性的なキャラクター
  • 狩野山雪:京狩野の一人でありながら、乱れるようなラインの松を描いた

 

関連記事

 

奇想の画家」のシリーズをまとめてます。みんな、チェックしてくれ~。

 

  1. 「桃山~江戸時代初期」 岩佐又兵衛、狩野山雪
  2. 「 江戸時代」 白隠、若冲、蕭白、芦雪
  3. 「江戸~明治時代」 狩野一信、鈴木其一、国芳、暁斎、芳年

 

 

参考資料

  • 辻惟雄(1970)『奇想の系譜』(美術出版社)
  • 美術検定実行委員会編(2008)『西洋・日本美術史の基本』(美術出版社)
  • 山口晃(2012)『ヘンな日本美術史』(祥伝社)
  • 山下裕二監修(2019)『奇想の系譜展 江戸絵画ミラクルワールド』(日本経済新聞社、NHK、NHKプロモーション)

 

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