何の違いがあるのか、教えてくれマボよ~。
目次
フィレンツェのコインランドリーで出会ったチリ人の話
と盛り上がっていたとき、チリ人の女性はこう言った。
チリではなくて、アメリカには行ったことがあるのですが……。
チリだって「アメリカ」だ!
でも、どうしてこの女性は困惑しているマボか。
南北アメリカ大陸(wikipediaより)
- アメリカ、アメリカ州:南北アメリカ大陸、グリーンランド、カリブ海周辺の島々、海域といった地域の名称
- アメリカ合衆国:北アメリカ大陸を中心とした国家の名称
つまり、チリはアメリカの一部というわけだ。
ここで、さっきのチリ人女性の言葉を思い出してみよう。
「すみません、日本人はつい『アメリカ合衆国』の意味でアメリカと言ってしまうんです……!」
と頭を下げたけど、失礼なことを言ってしまったと今でも反省している。
インド、インド亜大陸、インド共和国、南アジア
南アジア(wikipediaより)
「インド」と「インド共和国」にも持ち込まれる。
インド亜大陸に広がる「南アジア」という地域を呼ぶこともある。
『サンキュー・スモーキング』に垣間見られる「アメリカ」意識
『サンキュー・スモーキング』
(ジェイソン・ライトマン監督、2005)
タバコ研究所の広報部長の主人公がタバコと健康悪化とに因果関係がないことを言葉巧みに世間に訴えるという、ブラック・ユーモアの利いた風刺映画だ。
「パパ、なぜアメリカの政府(American government)は世界一なの」
「裁判で何度も上訴できる……いま言ったこと書いてるのか?」
「うん」
「ああ、ちょっと待って……作文のテーマはなんだ」
「だから『なぜアメリカの政府は世界一か』」
「先生が考えたのか」
「そう、なんで」
「だって、とりあえず、アメリカは地域名だってことは置いといて……(後略)」
『サンキュー・スモーキング(吹替版)』
そして同時に、「文法的に間違っている」とほのめかせば「アメリカ=アメリカ合衆国」という使い方が間違っているなというのが多くの視聴者には伝わる、ということだ。
「頭痛が痛い」という言い方をする人もいると同時に、
その表現が間違っているということを知っている人も同じくらい多くいる、ぐらいの感じかな。
日本人が「頭痛が痛い」という間違った表現使ってしまうのと同じぐらいの割合で、
アメリカ合衆国内でも「アメリカ=アメリカ合衆国」と無意識に使っている人が大勢いるんだろうね。
まとめ
- 「アメリカ」「インド」は国名として通じることもあれば、地域名を指すこともある
- 聞く人によっては「アメリカは地域名なのに、アメリカ合衆国の意味で使わないでほしい!」と気分を害する人もいるので、使い方に要注意!
参考資料
- 『サンキュー・スモーキング』(ジェイソン・ライトマン監督、2005)