今回は
「神社とお寺の違い」
シリーズ第4弾。
お寺の解説の続きです。
前の記事を見たい人はこちらをチェックしてくれ~
今回も神社のときと同様に、
その建築様式
へ着目していくよ
目次
入口
お寺の入口は山門!
山門
(法隆寺、奈良)
かつて、人里離れた山の中にお寺が建立されたとき、
その山の名称を「山号」として付与されるようになったことの名残がここにも出ている。
山門は別名「三門」とも言われるね。
山門は寺院の三号に由来する名。
三門は「三解脱門」の略で、
それより内は三種の解脱(悟り)を得られる聖域であることを示す呼び名である。
三門はたいてい中国の寺院建築に由来する禅秀様式をとり、「唐門」ともよばれる。
山折哲雄(2000)
『仏教用語の基礎知識』
(角川選書)
醍醐寺:菊と桐の紋章が付いた唐門
唐門
(醍醐寺、京都)
勅使門(ちょくし もん)
でもあるんだ。
勅使というのは天皇の使いだ。
だから、天皇家の菊の紋がついている。
それじゃあ、桐の紋は何まぼか。
醍醐寺は豊臣秀吉が大規模な花見を催したことでも知られているように、豊臣家と縁が深かったんだ。
南大門:天子は南面する
南大門
(東大寺、奈良)
南大門
(東寺、京都)
「南大門」
と呼ばれ、最も立派なあつらえとなっていることが多い。
という考えに由来する。
北極星って、地球から見て動かないよね。
北というのはまるで宇宙の中心のように見える。
だから、平城京や平安京では入り口は南、重要な部分は北、という配置がされるようになった。
寺院もこれにならった、というわけだ。
東大寺など奈良時代の寺院は諸堂を回廊もしくは塀で囲み、
南に南大門をつくった。
そして、金堂が真北に位置し、全体的に左右対称が通常である。
これは「天子南面」の中国の都の習わしにしたがう配置であり、
寺院という空間が都のミニチュアとして機能したことを表す。
南大門は都の入口の羅城門もしくは皇居の正門の朱雀門にあたるものといえよう。
その後も、寺院の門は俗世と聖域を隔てる境界として機能し、
しばしば一対の仁王像をもって護りとする。
山折哲雄(2000)
『仏教用語の基礎知識』
(角川選書)
五重塔
最古の塔は法隆寺
五重塔
(法隆寺、奈良)
7世紀に建立されているよ。
代表的な五重塔たち
五重塔
(興福寺、奈良)
五重塔
(東寺、京都)
五重塔
(仁和寺、京都)
五重塔
(醍醐寺、京都)
五重塔
(善通寺、香川)
五重塔
(東照宮、栃木)
五重塔
(室生寺、奈良)
五重塔
(厳島神社、広島)
中は拝観できないことが多いけれど、内部には仏像が祀られていることも多いんだ。
あ、でも、どうして神さまを祀っている神社なのに、仏さまを祀る塔が建っているんでしょうか、はて。
その辺の話は、次回の記事で見ていこう。
まとめ
- お寺の入口は山門
- 「天子南面」の考えから、南大門が造られた
- 天皇の使者が通る特別な門は「勅使門」
- お寺の塔はお釈迦様の骨を入れるのが起源
- 最古の塔は法隆寺の五重塔
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のシリーズをまとめてます。みんな、チェックしてくれ~。
参考文献
- エイ出版社編(2012)『お寺の基本』(エイ出版社)
- 山折哲雄(2000)仏教用語の基礎知識 (角川選書)
価格:1,980円 |