今回は
仏教の宗派
シリーズ第4弾。
前の記事を見たい人はこちらをチェックしてくれ~
目次
鎌倉時代にやってきた修行の教え
修行、修行、修行……
白隠慧鶴
『達磨図』
(萬壽寺、大分)
開祖は「達磨」。
ダルマさんの由来になった人だね。
さて、禅といえば、どんなイメージかな?
座禅とか、
禅問答とか……
なんだか、厳しい修行をしているイメージですかねえ。
「極楽浄土に連れて行ってもらおう」
というような他力本願の要素は薄いよね。
禅宗には特定の根本経典がなく、
教えよりも生活スタイル(実践)がベースとなっている点で、
他の大乗宗派とはかなり趣を異にしています。
佐々木閑(2017)
『別冊100分de名著 集中講義 大乗仏教 こうしてブッダの教えは変容した 』
(NHK出版)
ひいては将軍家にまで禅宗は保護されるようになっていくんだ。
水墨画の担い手
鎌倉時代、禅と一緒に中国から日本へ伝えられた水墨画は、禅僧が画家となり成長していった。
雪舟
『慧可断臂図(えかだんぴず)』
(斎年寺、愛知)
足利将軍家が禅宗を保護したことから、水墨画も一緒になって栄えていく。
代表的な画家は雪舟だね。
臨済宗
「公案」
と呼ばれる禅問答を重視したのが臨済宗だ。
開祖は栄西。
臨済宗では、特に有名なお寺にランク付けをする
「五山制度」
というものも生まれた。
お寺なのに、なんで「山」まぼか。
人里離れた山の中にお寺が建てられたことから、
寺の称号として「山」というのが生まれたのが始まりだよ。
だからその宗派の頂点の寺を「総本山」と言うし、
平地にあっても寺の入口を「山門」と言うわけだ。
室町幕府と鎌倉幕府の有ったそれぞれのエリアに
「京都五山」
「鎌倉五山」
という称号が生まれたわけだ。
京都五山
第1位・天龍寺(京都)
第3位・建仁寺(京都)
第4位・東福寺(京都)
天竜寺、
相国寺、
建仁寺、
東福寺、
万寿寺
と続く。
金閣、銀閣
第8代将軍の義政が質素な銀閣を建てた。
金閣
(鹿苑寺、京都)
銀閣
(慈照寺、京都)
うーん、どっちも素敵ねえ。
「金閣寺」
「銀閣寺」
というのは、実は、正式名称ではない。
銀閣は「慈照寺」
と呼ばれる寺の中の建築物の名前なんだ。
ちなみに、2つのお寺とも相国寺派のお寺。
相国寺は足利将軍家が特に保護したお寺だったからそのゆえんだね。
「別格」南禅寺
南禅寺
(京都)
京都五山の「別格上位」
に位置する。
南禅寺、
天竜寺、
相国寺、
建仁寺、
東福寺、
万寿寺
の6つで「京都五山」なんだよ。
曹洞宗:永平寺
永平寺(福井)
といって、ひたすら座ることを唱えたのが曹洞宗。
開祖は道元。
福井県の永平寺が総本山だ。
「只管」は宋代の中国語で「ひたすらに」の意。
余念をまじえず坐禅することが修証一如(修行と悟りは同じ)のすがたであるという。
山折哲雄(2000)
仏教用語の基礎知識
(角川選書)
曹洞宗は地方の豪族や農民に広まっていったんだ。
大変でしょうねえ。
黄檗宗(おうばく しゅう):萬福寺、崇福寺
代表的なお寺は萬福寺や崇福寺だね。
萬福寺
(京都)
崇福寺
(長崎)
色使いと言うか、雰囲気と言うか……。
中国様式の寺院としては日本最古のものなんだ。
この崇福寺から招かれたのが、
黄檗宗の開祖である隠元(いんげん)和尚だよ。
喜多元規
『隠元隆琦』
( 萬福寺、京都)
隠元さんが伝えたからインゲン豆なんだよ。
木魚
(萬福寺、京都)
まとめ
- 禅宗は修行で悟りを目指していくのが基本。
- 禅問答の臨済宗、座禅メインの曹洞宗
- 臨済宗には「京都五山」を中心とした有名なお寺がさまざま
- 曹洞宗の総本山は永平寺
- 江戸時代に伝わった黄檗宗の隠元和尚が日本へさまざまな文化や文物を伝えた。
関連記事
のシリーズをまとめてます。みんな、チェックしてくれ~。
参考文献
- 佐々木閑(2017)『別冊100分de名著 集中講義 大乗仏教 こうしてブッダの教えは変容した 』(NHK出版)
- 山折哲雄(2000)仏教用語の基礎知識 (角川選書)
集中講義大乗仏教 こうしてブッダの教えは変容した (教養・文化シリーズ 別冊NHK100分de名著) [ 佐々木閑 ] 価格:990円 |
価格:1,980円 |