今回から、研究者の方に専門知識を紹介していただくコーナーを始めます!
ここからは、研究者Uさんの聖書講座を始めていきますマボよ~!
マンボウちゃんの知合いの、「研究者U」です。
ユダヤ教の聖書解釈を主に研究しています。
このシリーズでは、
「聖書のストーリーについての意外な一面や、ツッコミどころ」
などを見ていきます。
目次
2種類の聖書
「聖書には2種類ある」
と言われて、イメージがつきますか?
旧約聖書と新約聖書のことマボか?
ピンッときたマボよ~ピンッと~!
では、「旧約聖書」と新約聖書を比較してみましょう。
- 「旧約聖書」
・ほぼヘブライ語
・紀元前1000年頃から書かれた
・39の別々の書物から成り立つ
※1 39のストーリーがいっぺんに成立したわけではなく、別々に書かれた
※2 「39」かどうかの、数え方はいくつかある
・ユダヤ教、キリスト教(+イスラーム)の聖典
- 新約聖書
・ギリシア語
・紀元後1世紀頃から書かれた
・27の別々の書物から成り立つ
・キリスト教(+イスラーム)の聖典
「旧約聖書」と新約聖書
「旧約聖書」はキリスト教目線の言葉
「旧約聖書」という呼び方には、ためらわれるところがあるんです。
2種類の聖書のうちの、古い方の聖書だから「旧約聖書」と呼ばれているんじゃないですか。
キリスト教からの目線なんです。
キリスト教以外の目線があるんですか?
聖書とは、いわゆる「旧約聖書」の1つしかありません。
なので、「古い」も「新しい」もないわけです。
一方、やや乱暴なまとめ方ですが、
ユダヤ教の一部から分離独立した一派がキリスト教であり、
キリスト教徒が自分たち用に新しく作った聖書が「新約聖書」。
そして、元々使っていた古い方の聖書を、キリスト教側が、
「古い契約(オールド・テスタメント)」、
すなわち「旧約聖書」と呼ぶようになったわけですね。
「旧約聖書」という呼び名に疑問を持つことすらなかったマボ!
立ち止まって考えるのは難しいかもしれませんね。
それだけ、キリスト教目線での考え方で「聖書」の概念が広まっているとも言えます。
日本の寿司を「オールド・スシ」と呼んできたら、
「何を勝手に『オールド』呼ばわりするマボか!」
と、マンボウちゃんも怒っちゃうマボよ。
いわゆる「旧約聖書」=「ヘブライ語聖書」
中立的な呼び方としては、
「ヘブライ語聖書」という表現が良いですね。
なお、「旧約聖書(Old Testament, הברית הישנה)」というのは
キリスト教徒や彼らの影響を受けた異教徒の呼び方、考え方であり、
ユダヤ教、つまりユダヤ人はキリスト教徒の言う「新約聖書」を認めないため
(「古い契約」とも考えないため)、
旧約聖書とは呼ばれない。
Wikipedia「ヘブライ語聖書」より(2021年10月16日閲覧)
「ヘブライ語聖書」
で表記されていますマボ。
書いているところには、ちゃんと書いてあるのねえ。
ヘブライ語聖書は、もともと1つの作品ではなかった?
39の書物で成り立っていると紹介しました。
しかしヘブライ語聖書は、もともと1つの作品として書かれたわけではありません。
つまり、「ヘブライ語聖書」とは、
いろいろな伝承などを寄せ集めて作られたものだ、
と考えてよいということです。
結構、適当なところもあるというわけマボね……。
次回の記事から一緒に見ていきましょう!
まとめ
- 「旧約聖書」「新約聖書」という呼び名は、あくまでキリスト教目線の表現
- 中立的な表現として「ヘブライ語聖書」という呼び方がある
- 「ヘブライ語聖書」の内容は、さまざまな伝承などを寄せ集めたものといってよい
研究者Uさんの、「聖書」に関する専門講義の続きはこちらをチェックまぼ!
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