メリークリスマスまぼよ~!
クリスマスって聞くと、楽しくてゴージャスな気分になるわよねえ、はってはて♪
楽しい気分がしょわしょわまぼ……
キリストの生誕を祝う”降誕祭”
Christはイエス・キリストでmasはミサ、つまり礼拝のこと。
クリスマスとは、キリストの誕生を祝う降誕祭なんだ。
ところでXmasと書いているのは何なんですか。
“Xmas”は、この頭文字”X”を引用しているんだね。
ボッティチェリ『東方三博士の礼拝』
(サン・マルコ教会、ヴェネツィア)
この様子は『東方三博士の礼拝』としていろいろなところで描かれているね。
12月25日なんて、中途半端なんじゃ。
それは、キリスト教が広まる以前から信仰されていた地域の風習と混ざりあったからなんだ。
十二月二十五日はもともと、地中海一帯で信仰されていた太陽神ミトラスの主祭日で、
また北欧の冬至祭の日でもあり、
そこにキリスト教の救世主の降誕祭が加わり、
三つの光の祭事が合体した。
若林ひとみ(2010)
『クリスマスの文化史』
(白水社)
聖ニコラオスからサンタクロースへ
聖ニコラオスって誰ですか
プレゼントもらうまぼよ~はってはて♪
フラ・アンジェリコ『聖ニコラウスの物語』
(バチカン美術館、バチカン)
おそらく、ニコラオス信仰の発展形でもっとも親しまれているのはサンタクロースだろう。
その起源は聖ニコラオス(オランダ語ではシンテ・クラース)の祭りがあるオランダで、
その際には子どもたちに贈りものをするのである。
オランダのプロテスタント系移民が17世紀にこの習慣をニューアムステルダム(のちのニューヨーク)にもちこんだとき、
トール神にかんする北欧神話がこれに加えられた。
その民話では、トナカイが引くソリに載って魔法使いが家々を訪ね、悪い子には罰を与え、良い子には褒美を与えるという。
マルコム・デイ、神保のぞみ訳(2006)
『図説 キリスト教聖人文化事典』
(原書房)
そこへ北欧神話のイメージが混ざり合って、トナカイのソリに乗るサンタクロースのイメージが出来上がった、というところだね。
サンタクロースはオランダ語の「シンテ・クロース(聖ニコラオス)」の訛り、というわけだ。
”キリストの降誕祭”と聖ニコラオスの関係
ちなみにこれは、クリスマスにプレゼントを期待して靴下を用意している由来だね。
だけど、こんな気前のいい聖人のお祭り、続いてほしいよね。
マンボウもプレゼントをもらうまぼよ~!
ルーカス・クラーナハ『マルティン・ルターの肖像』
(ウフィツィ美術館、フィレンツェ)
ならば、ほど近い記念日のキリストに登場してもらえばいいじゃないか!
ということで、生まれたばかりの幼児のキリスト「クリストキント」が、クリスマスイブに贈りものを持ってくる、という風習が生まれたんだ。
いまでもドイツの多くの地域では、サンタクロースよりもクリストキントがメジャーなんだよ。
ドイツのニュルンベルクでは、「クリストキント・コンテスト」までやっている。
しかしこうやっていろいろな風習が混ざり合って、サンタ=クリスマスのイメージになっていったまぼねえ。
まとめ
- クリスマスはもともと、キリストの誕生を祝う生誕祭。キリスト教以前の土着の信仰と合わさって、12月25日がクリスマスとなった。
- 聖ニコラオスの信仰がサンタクロースのモデルに
- 聖ニコラオスに対抗して生まれたクリストキントの風習とあいまって、「クリスマスといえばサンタクロース」のイメージができあがった
参考文献
- マルコム・デイ、神保のぞみ訳(2006)『図説 キリスト教聖人文化事典』(原書房)
- 若林ひとみ(2010)『クリスマスの文化史』(白水社)