【ナショナル・ギャラリー/ロンドン】② 4つのエリアで時代を巡る

こんにちは、はてはてマンボウです。

前回の記事では、ロンドンのナショナル・ギャラリーの概要について、見てきました。

 


 

 

英国を代表する美術館╿ロンドン ナショナル・ギャラリー① その概要

前の記事をチェックしたい人は、こちらを見てくれ~

 


 

今回はいよいよ、展示されている作品について、ダイジェストで見ていくよ。

 

ナショナル・ギャラリーは時代ごとに4つのエリアで区切られている。

 

まずは最も古い時代の「セインズベリー館」からだ。

梓

 

セインズベリー館╿1250-1500年の絵画

セインズベリー館の作品はゴシック期からルネサンス初期の絵画が並んでいる。

西洋で近代的な技法が覚醒した時代の絵画だね。

梓

 

サンドロ・ボッティチェリ

『ヴィーナスとマルス』

 

レオナルド・ダ・ヴィンチ

『岩窟の聖母』

 

マンボウちゃんもダ・ヴィンチは知ってます、はってはて。
ボッティチェリやダ・ヴィンチといった、イタリア・ルネサンスを代表する作家も見られる。ほかにも……
梓

ヤン・ファン・エイク

『アルノルフィーニ夫妻の肖像』

いまのベルギー・オランダにあたるフランドル地方の絵画も見られる。

 

ヤン・ファン・エイクとこの『アルノルフィーニ夫妻の肖像』はまさに当時のフランドル地方を代表する絵画だ。『

梓

 

西翼ギャラリー╿1500-1600年の絵画

ルネサンス全盛からマニエリスムにかけた絵画が見られるのが、この西翼ギャラリーだ。
梓

 

ティツィアーノ

『聖十字架を崇敬するヴェンドラミン家の人々』

 

パオロ・ヴェロネーゼ

『アレクサンドロス大王の前のダレイオスの家族』

 

なんだか、色がてかついています。

 

てかてかマンボウ。

ティツィアーノやその死後に現れたヴェロネーゼは、ルネサンス盛期の中でも、「ヴェネツィア派」と呼ばれている。

明暗を色彩で表現した技法に特徴があるね。

梓

 

ブロンズィーノ

『ヴィーナスとキューピッドのアレゴリー(愛の寓意)』

 

この絵は何を表しているマボか。
絵画の知識を持ち合わせていないと読み解くのは困難だよね。

ルネサンス期で西洋は絵画の技法に目覚めるんだけど、

その技法が行き過ぎて、かえって構図が不自然だったり意図が不明瞭だったりするようになる。

技法(マニエラ)が尖った時代として、「マニエリスム」と呼ばれるゆえんだ。

梓

 

北翼ギャラリー╿1600-1700年の絵画

この時期には、ルネサンス期から次の絵画の時代「バロック」へと変遷していくよ。
梓

アンニーバレ・カラッチ

『アッピア街道で聖ペドロに現れるキリスト(ドミネ・クオ・バディス)』

 

この頃は、キリスト教のカトリックからプロテスタントが分離していく時代。

カトリックの地域では人々の信仰心へ訴えるための手段として、劇的な表現の宗教画が盛んになる。

梓
ちなみに、これは何のシーンなんですか。ドミ、ドミドミ、ドミネ……。
ドミネ・クオ・バディス(Domine Quo Vadis?)はラテン語で「あなたはどこへ行くんですか」という意味

 

天に昇ったはずのイエスと道端でばったり会ってしまい驚いた聖ペトロがこの言葉を口にした、聖書のエピソードに由来する。

梓

 

 

伝説によれば、ペトロは皇帝ネロのキリスト教徒迫害の際にローマを逃れたが、

アッピア街道で十字架を背負うキリストに出会う。

 

「主よ、何処へ行かれるのですか」

 

という問いに対し、

ペトロが信者たちを見捨てたので再び十字架に掛けられに行くところだと救い主は答えた。

 

ペトロは引き返して殉教の死を遂げる。

 

中野吉郎編(2004)

『ナショナル・ギャラリー・コンパニオン・ガイド』

 

 

一方、プロテスタントの国家であるオランダでは、教会よりも商売で富み栄えた市民たちが力を持っていた。
梓

 

ヨハネス・フェルメール

『ヴァージナルの前に座る女』

 

フェルメールはマンボウちゃんも知っていますよ~癒されますよねえ。
また、かつては絶対的な権威を持っていたのは宗教画だったんだけど、次第に風景画も描かれるようになってくる。

 

代表的な作家の1人が、クロード・ロランだね。

梓

 


クロード・ロラン

『海港、シバの女王の船出』

 

東翼ギャラリー╿1700-1900年の絵画

さて、次第に時代も現代に近づいてきた。

これまでは時代を代表する絵画様式が一対一であてはまることが多かったけれど、

同時代に異なる様式の絵画が現れるようになってくる

梓

 

ポール・ドワロシュ

『レディ・ジェーン・グレイの処刑』

 

ひょええ、女の人が処刑されそうに……
中野京子さんの著書『怖い絵』シリーズで紹介され、かつて日本でも展示されて話題となった作品だ。
イギリスの歴史を描いたワンシーンだけど、これを描いたのはフランス人のドラロシュ。
当時、フランスではイギリス趣味が流行っていたんだ。
梓
これみよがしの好古趣味とブルジョワ的メロドラマの疑似リアリズムを組み合わせたこれらの力作は、
こんどはヴィクトリア朝中期のイギリスで、
自国の歴史を描く画家たちに影響を与えることになった。
ドラロシュの名声は今日ではほとんど失われたが、
『レイディ・ジェイン・グレイの処刑』は当館で最も人気のある作品の1つである。
中野吉郎編(2004)
『ナショナル・ギャラリー・コンパニオン・ガイド』
クロード・モネ
『ラ・グルヌイエールの水浴』
19世紀に誕生し現代まで最も大きな影響を与えている絵画様式といえば、印象派だね。
屋外の明るい色彩をいかに絵画で表すかに苦心し、その結果このような色と色が混ざり合うことを意識した画法が生まれた。

だいたいこの辺の時代で、ナショナル・ギャラリーの所蔵する作品はおしまい。

梓
西洋絵画のおいしいところをぎゅっと詰め込んだような美術館ですね、行ったみたいです~はってはて♪

まとめ

  • セインズベリー館では、1250-1500年のゴシックからルネサンス初期の絵画を展示
  • 西翼ギャラリーでは、1500-1600年のルネサンス盛期からマニエリスムの絵画を展示
  • 北翼ギャラリーでは、1600-1700年のバロックの絵画を展示
  • 東翼ギャラリーでは、1700-1900年のさまざまな絵画を展示

 

参考資料

  • 中野吉郎編(2004)『ナショナル・ギャラリー・コンパニオン・ガイド』