今回は……北海道・小樽のステンドグラス美術館ですね、はてはて。
小樽のステンドグラス美術館って?
「似鳥」の小樽芸術村
ちなみに、「似鳥文化財団」が運営しているけど、
ニトリは「似鳥」さんをカタカナにしただけ。
![]()
北海道に生まれ、道民の皆様に育まれてきたニトリグループは、
地域の皆様への感謝の想いをかたちにすべく、「小樽芸術村」を開設いたしました。小樽市は、明治時代初期、物流の拠点となり、国内有数の経済都市として発展しました。
小樽芸術村は、その時代に建造された木骨石造倉庫や銀行建築などを改修し、
国内外の美術品や工芸品などを収集、展示するミュージアムとして活用しています。また、活動を通じて、まちなみの保存と継承、
創造的で多様性に富んだ魅力的なまちづくりに貢献するとともに、
小樽の文化資源の魅力を世界に発信していくことを目指しています。小樽芸術村「小樽芸術村について」(2025年12月27日確認)
ステンドグラス美術館
JR小樽駅から徒歩10分。小樽の観光スポットの中心である運河沿いに建っているんだ。
ここは、旧荒田商会・旧高橋倉庫という歴史的建造物の中に、
イギリスの教会で実際に使われていたステンドグラスが展示されている美術館なんだよ。
小樽芸術村の旧高橋倉庫 ステンドグラス美術館に所蔵されている作品は、
19世紀後半から20世紀初頭にかけてイギリスで制作され、
実際に教会の窓を飾っていたステンドグラスです。近年イギリスでは諸事情により、多くの教会が取り壊されてしまいましたが、
これらの作品は破壊を免れ、時代の流れの中で数奇な運命を辿り、日本へやって来ました。ステンドグラスに描かれた図像や文字には、
ヴィクトリア女王の統治していた華やかな時代から
エドワード朝時代、
そして第一次世界大戦へと進んでいくイギリスの歴史が凝縮されています。美しく荘厳な光の空間で、ゆっくりと時の流れを感じてください。
小樽芸術村 旧高橋倉庫 ステンドグラス美術館
顧問 志田政人小樽芸術村「ステンドグラス美術館(旧高橋倉庫) 」(2025年12月27日確認)
ステンドグラスを見て回ろう
磔刑図
磔刑図
荘厳なステンドグラスですねえ。
5本の高窓で構成されているこの大きな作品は、
十字架に架けられるイエスの姿を中心に聖母マリアや弟子達、そしてイギリスにゆかりの深い聖人達が描かれています。志田政人(2016)『小樽芸術村 ステンドグラス美術館(旧高橋倉庫)ガイドブック』、
ニトリパブリック、p.12。
(前略)その下には美しい聖母マリアが、
我が子イエスが十字架に架けられたことを悲しんで手を合わせています。マリアの衣服は深い青、
つまり「悲しみの青」として描かれるのです。志田政人(2016)『小樽芸術村 ステンドグラス美術館(旧高橋倉庫)ガイドブック』、
ニトリパブリック、p.12。
服が青いから?
S. Mary the Virgin
SはSaintの略で聖人を意味する。
Mary the Virginは、イエスの母であるマリアを指している。
でも、名前が書いてなくても、誰だか分かる人もいるよ。
それは……聖人が自分の生涯を象徴する事物、
つまり「アトリビュート(人物を特定するための持ち物)」を手にして描かれることが常だからだ。
上段には十二使徒の筆頭である聖ペトロがいます。
ペトロはガリラヤの漁師でシモンという名でしたが、
イエスの最初の弟子になり、教会の礎となる「岩」を意味するペトロという名と、
天国の鍵を授かりました。(中略)
聖人は自分の生涯を象徴する事物、
つまりアトリビュートを手にして描かれることが常です。志田政人(2016)『小樽芸術村 ステンドグラス美術館(旧高橋倉庫)ガイドブック』、
ニトリパブリック、pp.12-13。
アトリビュートというやつだ。
賛美する言葉
と書いてある。
Te Deum(テ・デウム) という古い賛歌の一節。
和訳すると、
「栄光に満ちた使徒たちの一団は、あなた様(神)を賛美する」
ぐらいの意味かな。
thee は古い英語で、youを指す。
ここでは神のこと。
使徒であるペテロの図像と、「使徒たちが神を賛美する」という文言が対応しているんだ。
磔刑のイエスの上、復活したイエスの下に書かれている文字ですが……。
Thou art the everlasting Son of the Father.
とある。
あなたは栄光の王、おお、キリストよ。
あなたは父なる神の永遠の御子である。
ぐらいの意味かな。
thouは現代英語のyou、
art = 現代英語の are
に相当するから、thou art = you are(あなたは〜である) となる。
宗教文書や祈りの文、讃美歌、古い詩などで荘重な調子を出すために使われているんだ。
O は 呼びかけ(おお〜よ) を表す語だね。
これも、賛美歌であるTe Deumの一節だね。
そこに含まれているちょっとした要素も知ると、ますます眺めるのが楽しくなってくるわね~はってはて♪
まとめ
- 小樽芸術村のステンドグラス美術館は、歴史的建造物を活用し、イギリスの教会で実際に使われていた本物のステンドグラスを展示している文化施設
- 展示作品には、磔刑図などキリスト教の重要な場面が描かれており、人物の持ち物(アトリビュート)や文字を読み解くことで、より深く鑑賞できる。
- ステンドグラスに記された賛美歌や言葉の意味を知ることで、単なる「美しさ」だけでなく、宗教的・歴史的背景も楽しめる美術館体験ができる。
参考資料
- 志田政人(2016)『小樽芸術村 ステンドグラス美術館(旧高橋倉庫)ガイドブック』、ニトリパブリック。
関連記事
こちらもぜひチェックしてくれ~。
今回の投稿がもっと楽しくなりますよ!












コメントを残す