今回は日本各地の不思議な昔話
について教えてもらえるんだとか。
鬼が一晩で作った石段の物語
は知っているかな。
ずいぶんとせっかちな話しねえ、はて。
目次
築け、石段! コケコッコーと鳴く前に
「熊野磨崖仏(まがいぶつ)」
と呼ばれる、石壁に彫られた石仏があるんだ。
こりゃあ、一苦労よ……はて?
鬼が一晩で築いた、
という伝説があるんだ。
……ある日、熊野権現は鬼の過ちを改めるため、
熊野社に参拝するための石段を一夜で100段積み上げることができれば、今までの鬼の悪さを許す
という約束をしたのである。
しかし、鬼はその腕力でいとも簡単に石段を積み重ねていくので、
驚いた熊野権現は鶏に体を変化させて、コケコッコーと鳴いたそうである。
鬼は慌てて逃げ出し、杵築市山香の立石で力尽きたと言われている。
これが、今回言っていた、鬼の石段の物語ですね、はってはて♪
日本全国 津々浦々!? 鬼とニワトリの一夜物語
和歌山県の名勝・橋杭岩(はしぐいいわ)
にやってきた。
うーん、紀南のきれいな海ねえ……むむむ
弘法大師は山から何万貫もある大きな岩を担いできて
ひょいと海中に立ててどんどん橋杭を立てていきました。
……「この調子で橋を作ると朝までには立派な橋ができ上ってしまう。何とか邪魔をする方法はないものだろうか」
と天の邪鬼は考えました。
そこで弘法大師が
「人に見られぬように夜のうちに橋をかけてしまいたい」
と言っていたのを思い出して鼻をつまんで
「コケコッコー夜が明ける~」
と鶏の鳴きまねをしました。
弘法大師は
「まだ夜が明けるはずはない」
と耳を疑いましたが、
もう一度天の邪鬼が
「コケコッコー」
と鳴きまねをすると
夜が明けてしまったと勘違いしてあわてて工事を止めてしまいました。
それで今でも橋杭岩は海の中ほどまでしか続いていません。
- 《偉い人》 熊野権現 ⇒ 弘法大師
- 《岩を積む人》 鬼 ⇒ 弘法大師
- 《だます人》 熊野権現 ⇒ 天邪鬼
でも、いつもニワトリが鳴いておしまい、と。
不思議ねえ
日本全国のいろんなパターン
鬼が逃げて、石段が残る
- 大分 求菩提(くぼて)山 「豊前市観光協会豊前さんぽweb」より
そのほか、「福岡 高良山」「大分 八幡竈門神社」「山口 角島」「長崎 壱岐」など
鬼が最後に神様の門番にスカウトされたりと、
細かいところの違いはあるみたいだね。
石段ではなく、「橋をかける」
- 福島 鬼沼
昔、弘法大師が一夜で湾口に橋をかけようと発願したが、
夜明けに鶏の声がして工事を中止した。
それはアマノジャクが邪魔して真似た声であり、
橋かけは未完成になったと語られており、
「弘法橋」とも呼ばれている。
「鬼沼|郡山市観光協会」より
- 大分 西寒多(ささむた)神社
「……霊山から本宮山まで、一晩で橋をかけられたら食べられましょうと無理難題の約束をさせました。
ところが鬼たちは、一晩で橋を完成させかけたため、
あわてた親子は手ミイを叩き、鶏の鳴きまねをしました。
すると鬼たちは朝が来たと思い残念がって歯で石を噛み投げました」
でも、いつものように、ニワトリで解決でしたか、はて。
結局石の話に戻っているのが興味深いね。
ナマハゲの始まり!?
- 秋田 男鹿
およそ2000年の昔、漢の武帝が5匹のコウモリを連れて男鹿にやってきました。
コウモリは5匹の鬼に変わった。
……鬼たちは精魂を尽くして積み上げあと一段!正に完成寸前、というところで
「コケコッコー」
と一番鶏の鳴き声。
……この鳥の鳴き声は、モノマネの上手な村人が石段完成を阻むために鳴き真似をしたとか、
いつも鬼に馬鹿にされている天邪鬼が腹いせに鳴き真似をした
とか言われています。
うーん、なんだか味付けが濃くなっているような……まぼ?
鬼が来なくなって何か心寂しく感じた村人たちが、
年に一度正月15日に鬼の真似をして村中を回り歩く様になったのが、
あのナマハゲの始まりだと言われています。
しかも、鬼をさみしく思ったのが始まりとは……
まとめ
旅先の神社や景勝地にこんな言い伝えが残っていないか、比べてみるのも楽しいかもね。