【菩薩の中の観音様】②7つ揃って……六観音?

こんにちは、はてはてマンボウです。

前回は、菩薩の種類と意味を見てきました。

【菩薩の中の観音様】①種類と意味を解説!|観音菩薩と「33」の深い関係とは?

今回は、菩薩の中でも観音菩薩のバリエーションをさらに深掘りしていくよ。
梓

 

定番となる「六観音」を紹介

そんな、春物、秋物ファッションみたいに、

観音様にも定番があるマボか。

そうそう。まずはここを押さえておけばいいという感じ。

その代表が六観音なんだ。

梓

 

①聖(しょう)観音

「聖観音立像」(奈良国立博物館、奈良)
※画像出所:奈良国立博物館「聖観音立像」(2026年4月11日確認)

こりゃあ、よく見る観音様のイメージまぼ。
この後も説明するように、観音様にも腕が増えたり顔が増えたりするわけなんだけど、
聖観音は、一面・二臂(いちめん・にひ)
顔が1つで、腕が2つ、ということ。

まずは「標準形」と考えるといいかもね。

梓

②十一面観音

十一面観音像(聖林寺、桜井市)
※画像出所:聖林寺「国宝 十一面観音」(2026年4月11日確認) 

 

頭上に十一の顔をいただく観音。

あらゆる方向を見渡して人々を救うことを象徴すると理解されている。

梓
たしか、頭の裏におもしろい顔を持つ十一面観音がいたような……ああ、これこれ。

【暴悪大笑】滋賀県・向源寺の十一面観音|見えない祈りを刻む国宝の微笑

 

③千手観音

「千手観音坐像」(三十三間堂、京都市)
※画像出所:三十三間堂「千手観音坐像」(2026年4月11日確認)

無数の手で衆生を救う観音で、見通すだけでなく救いの手も増やしたという感じだ。

千手千眼(せんげん)観音とも呼ばれる。

実際の像では、四十二本の手で「千手」を表しているよ。
顔は二十七面あることが多い。
このように、顔や手がたくさんあるのを
「多面・多臂(ためん・たひ)」
というよ。

梓
たくさんこれが並んでいる、三十三間堂が有名マボね!

【三十三間堂①】千手観音1001体!│慶派・院派・円派が生んだ仏像の森へ

 

④准胝(じゅんてい)観音

「准胝観音像」(東京国立博物館、東京)

定番といいつつ、急に聞かない名前が出てきたマボ、はて。
「チュンディー」というインドの女神が起源と考えられている。
その音訳をしたのが准胝観音だね。

女神が起源ということもあって「仏母」という呼ばれ方をすることもある。

梓

 

⑤如意輪(にょいりん)観音

「如意輪観音像」(ボストン美術館、ボストン)

如意輪観音は、「如意宝珠」と「法輪」を名に持つ観音さま。
「如意宝珠」は「意のままに願いをかなえる宝」、
「法輪」は、煩悩を打ち消す輪っかの武器、チャクラムのこと。
梓
物憂げな感じの観音さまマボねえ。
基本的には、半跏(はんか)像、つまり右膝を立てていて、その横でほほに手を当てているパターンが多い。
左脚を跏趺坐(かふざ)にするこの姿は、「輪王座」と呼ばれるんだ。

「趺(ふ)」は足の甲で、
「跏(か)」は逆の足の太もも。
跏趺坐は足の甲を逆の足の太ももの上に乗せることを表すよ。

梓

⑥不空羂索(ふくうけんさく)観音

不空羂索観音立像(東大寺、奈良市)
※画像出所:wikipedia「東大寺不空羂索観音立像」(2026年4月11日確認)

「羂索(けんさく、けんじゃく)」は投げ縄。困っている人を捕まえるためにある。
「不空」は、空しく(むなしく)ならない、ということ。

救済が空振りしない観音さま、ということだね。

梓
この名前の観音さまがいたら、投げ縄を持っている、ということマボね、はてはて。

 

⑦馬頭(ばとう)観音

「馬頭観音像」(ボストン美術館、ボストン)

ひょ、ひょえええ。
こ、怖いマボ!
これ、本当に観音さまマボか?
慈悲もなしマボぉ。
馬頭観音は文字どおり、頭上に馬の頭をいただく観音さま。

マンボウちゃんが言うように、怒った顔の「忿怒相(ふんぬそう)」を示す力強い姿で表される。

怒りの力で仏教を信仰させようとする「明王」の一種として「馬頭明王」と言われることもあるんだ。

梓
ちなみに、西国三十三所のお寺では、ここに挙げた六観音のいずれかが本尊となっているよ。
梓

7つそろって六観音?

ふむふむ、というわけで、7つ揃って……六観音マボか、はて。
そりゃあ、変だよね。というわけで、そのルーツについて。

そもそも六観音とは、六道と呼ばれるという6つの迷いの世界を、それぞれの観音が救うという考え方に基づいている。

六道とは、具体的には次のとおり。

梓
  1. 地獄道
    激しい苦しみを受け続ける世界
  2. 餓鬼道
    欲望に苦しみ、満たされない世界
  3. 畜生道
    本能に支配され、愚かさに迷う世界
  4. 修羅道
    怒りや争いにとらわれる世界
  5. 人道
    苦しみもあるが、修行して悟りを目指せる世界
  6. 天道
    楽しみは多いが、いずれ衰え迷いに戻る世界
仏教というのはもともと、
「輪廻転生(りんねてんせい)する限りは苦しみが続くので、生まれ変わらないようにしよう」
というのが目的にある。
梓
この六道にいる限りは、輪廻転生を繰り返すことになるので苦しみも続く、というわけマボかあ。
そこで、それぞれの観音様に六道ごとの担当者を割り振ったのが六観音。
梓
  1. 地獄道 ⇒ 聖観音
  2. 餓鬼道 ⇒ 千手観音
  3. 畜生道 ⇒ 馬頭観音
  4. 修羅道 ⇒ 十一面観音
  5. 人道 ⇒ 准胝観音または不空羂索観音
  6. 天道 ⇒ 如意輪観音

 

はて、人道だけ2つ観音様が。
おおざっぱに言うと、

天台宗では不空羂索観音が、
真言宗では准胝観音が、

それぞれ該当しているんだ。

だから合計すると7種類になる。

梓
それ以外の宗派では、どのように説明しているんですか。
残念ながら、今回は宗派ごとのハッキリとした分類までは確認できなかった。
まあ、それぐらい、曖昧なのかもしれない。
梓
まあ、あんまりキッチリしてても疲れますからね~、はて~。

でも、7つ揃って六観音というフレーズだけは覚えました!

よければ、観音さまも1つくらい覚えてあげてね……。
梓

まとめ

  • 六観音は代表的な観音菩薩のパターン。
  • 六つの観音がそれぞれ六道に該当する。
  • 7つ揃って六観音になるのは宗派によって分類が異なるから。