ジョヴァンニ・ダ・モデナ
『最後の審判』部分
（聖ペトローニオ教会、ボローニャ）
ラファエロ
『悪魔を倒す聖ミカエル』
（ルーヴル美術館、パリ）
まずは、聖書に出てくる悪魔たちだ。
目次
サタンっていったい何ですか
ルシフェルが堕天し、悪魔サタンへ
ランブール兄弟
『ベリー公のいとも豪華なる時祷書』
「反逆天使の墜落」
（コンデ美術館、シャンティイ）
神へ戦いに挑んで敗れ、
地へと投げ落とされた結果、
地獄でサタンという悪魔になったと考えられている。
「明けの明星よ、お前は天から落ちた。お前は地に投げ落とされた……」（イザヤ書）。
明けの明星（ルシフェル）とは金星のことであるが、このルシフェルが悪魔を意味するところとなる。
旧約聖書のやや意味深長な言葉が新約聖書ヨハネ黙示録にある
「巨大な竜、
年を経た蛇、
悪魔やサタンの名で呼ばれる者、
この人類を惑わす者は地に投げ落とされた」
と結びついたのである。
利倉 隆（1999）
『悪魔の美術と物語』
（美術出版社）
アレクサンドル・カバネル
『堕天使』
（ファーブル美術館、モンペリエ）
悪魔になってしまったんですねえ。
蛇はサタン？
ルーカス・クラーナハ
『アダムとイヴ』
（コートールド・ギャラリー、ロンドン）
そこへ近づいた蛇が知恵の実を食べるようイブをそそのかす。
これぐらいはマンボウちゃんも知っているまぼよ。
という考えがある。
ヒューホ・ファン・デル・フース
『堕罪』
（美術史美術館、ウィーン）
この蛇はサタンの化身だ
と後に考えられた。
みたいな考えになったのかしらねえ。まぼまぼ。
キリスト教の中の悪魔
荒野の誘惑
ドゥッチョ・ディ・ブオニンセーニャ
『山上の誘惑』
（フリック・コレクション、ニューヨーク）
イエスは何度もサタンから挑発されたり誘惑されたりする。
《サタンの誘惑》
神の口から出る言葉ひとつひとつによって生きている。
神の子なら飛び降りたらどうだ。
もし私にひれ伏すなら、これを全て与えてやろう。
あなたの神である主を拝み、ただ主に仕えよ。
大島 力（2010）
『図解 聖書』
（西東社）
ユダとサタン
レオナルド・ダ・ヴィンチ
『最後の晩餐』
（サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ修道院、ミラノ）
「あなた方のうちのひとりが私を裏切ろうとしている」
とイエスが発言し、イエスの12人の弟子たちは混乱する。
このとき、
「しようとしていることを、いますぐしなさい」
とイエスに言われ飛び出したのが、イスカリオテのユダだ。
ジョット
『ユダの接吻』
（スクロヴェーニ礼拝堂、パドヴァ）
イエスにあいさつし、
そして接吻する。
それがイエスを捉える合図となり、
イエスは捕縛される。
「サタンが彼の中に入った」と。
ジョット
『ユダの裏切り』
（スクロヴェーニ礼拝堂、パドヴァ）
だけど、イエスの弟子でイエスから「サタン」だと名指しされた人がいるんだ。
ペトロとサタン
『聖ペトロのイコン』
（聖カタリナ修道院、エジプト）
「自分はイェルサレムへ行って処刑されるけど、三日目に復活することになっている」
と弟子たちに告げるシーンがある。
そこでペトロは、
「行っちゃいけませんよ」
と諫めるんだけど、
そのときにみんなの前でイエスは、
「退け、サタン」
と言うんだよ。
要は、邪魔をするな、と。
自分が処刑されることで、人類の罪をあがなうんだと。
ペトロは剣で敵を斬ってイエスを助けようとしているんだけどね。
そのときもイエスはペトロを制して、斬られた人を癒している。
まとめ
- ルシフェルが堕天使したのがサタン
- アダムとイブをそそのかした蛇がサタンと見なされた
- 裏切者のユダにはサタンがとりついた、とも
【2021年10月９日 追記】
なんと、マンボウちゃんのお知り合いの研究者の方から、一部内容にご指摘をお受けしました。
申し訳ありません。お詫びして訂正いたします……。
詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
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【聖書/悪魔/サタン/ルシフェル】研究者の目から見た「悪魔」の世界
参考資料
- 大島 力（2010）『図解 聖書』（西東社）
- 利倉 隆（1999）『悪魔の美術と物語』（美術出版社）
