今回は……。
お寺や展覧会が、もっと楽しくなるよ。
さっそく見ていきましょう、はてはて。
飛鳥文化
北魏様式
飛鳥時代のできごとだ。
日本の仏像の歴史も飛鳥文化から始まる。
それで、この「北魏(ほくぎ)様式」ってのは、何ですか、はて。
北魏というのは、北側にあった王朝のことで、こちらの特徴を伝えるのが北魏様式、ということ。
で、仏像にはどんな特徴が?
特徴としては、こんな感じ。
- アーモンド形の目
- めくれた唇
- 粗削りな感じだけど、力強い印象
飛鳥大仏
(飛鳥寺)
救世観音像
(法隆寺)出所: 法隆寺「夢殿・絵殿・舎利殿・伝法堂・東院鐘楼」『法隆寺伽藍』
https://www.horyuji.or.jp/garan/yumedono/
(2025年1月1日確認)。
百済様式・中国南朝様式
特徴はこんな感じ。
有名なのが、弥勒菩薩半跏思惟像(みろくぼさつはんかしいぞう)。
- 丸みのある線
- 柔和な表情
- 写実的
弥勒菩薩半跏思惟像
(中宮寺)出所: 中宮寺「本尊」『中宮寺とは』
http://www.chuguji.jp/archaic-smile/
(2025年1月1日確認)。
柔和という言葉がぴったりねえ。
何回読んでも名前を覚えられませんが、はて。
白鳳文化
天武天皇や持統天皇の時代になると、仏教の力で国家を守ろうという「鎮護国家(ちんごこっか)」思想が生まれて、仏教の力が大きくなってくる。
仏像では、丸みとともに、量感も出てくる。
鋳造仏頭
(興福寺)出所: 興福寺「銅造仏頭(旧東金堂本尊)(ぶっとう)」『寺宝・文化財』
https://www.kohfukuji.com/property/b-0034/
(2025年1月1日確認)。
「丸み」ではさっきの弥勒菩薩と同じですけど、
「量感」となると、たしかにこっちはずっしりきますねえ。
薬師三尊像
(薬師寺)出所: 法相宗大本山薬師寺「金堂」
https://yakushiji.or.jp/guide/garan_kondo.html
(2025年1月1日確認)。
飛鳥大仏
(飛鳥寺)
天平文化
聖武天皇が奈良の大仏を建立したことに象徴されるように、この時代には仏教保護が更に進み、仏像表現も豊かになっていく。
複雑なポーズや微細な表情が更に進んでいくのがこの時代。
加えて、金銅像から塑像(そぞう)や乾漆像(かんしつぞう)へと変化していくんだ。
乾漆像?
これは……はて?
対して乾漆像は、漆と布を使用した、軽量で耐久性のある像なんだ。
乾漆像は、
①土で全体を形作る「脱乾漆像」と、
②原型を木彫りで作る「木心乾漆像」の、
二つが存在する。
出所: 薬師寺(2016)、pp.174-175。
十二神将像
(新薬師寺)出所: 新薬師寺「十二神将」
(2025年1月1日確認)。
阿修羅像
(興福寺)出所: 興福寺「阿修羅像【八部衆】(あしゅらぞう)」『寺宝・文化財』
https://www.kohfukuji.com/property/b-0009/
(2025年1月1日確認)。
木彫りの仏像の様式が出てくるんだ。
まとめ
- 飛鳥文化
①「北魏様式」:アーモンド形の目・めくれた唇・粗削りながら力強い
②「百済様式・中国南朝様」:丸みのある線・柔和な表情・写実的 - 白鳳文化
丸みと量感の増加・自然な衣の表現 - 天平文化
複雑なポーズと微細な表情・塑像や乾漆像の登場
参考文献
- 薬師寺君子(2016)『写真・図解 日本の仏像 この一冊ですべてがわかる!』西東社。
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