【仏像/歴史/簡単に】①飛鳥文化-白鳳文化-天平文化

こんにちは、はてはてマンボウです。

今回は……。

日本の仏像の特徴をざっくり押さえておくと、
お寺や展覧会が、もっと楽しくなるよ。
梓
そりゃあ、便利ねえ!

さっそく見ていきましょう、はてはて。

 

飛鳥文化

北魏様式

仏教が日本に伝来したのは、6世紀。
飛鳥時代のできごとだ。

日本の仏像の歴史も飛鳥文化から始まる。

梓
ほいほい。

それで、この「北魏(ほくぎ)様式」ってのは、何ですか、はて。

ちょうどこの頃の中国は、北と南でそれぞれに王朝が分かれていたので、「南北朝時代」と呼ばれているんだ。

北魏というのは、北側にあった王朝のことで、こちらの特徴を伝えるのが北魏様式、ということ。

梓
あらあら、中国も大変な時代だったのねえ。

で、仏像にはどんな特徴が?

鞍作止利(くらつくり の とり)という仏師が作った仏像が有名だね。
特徴としては、こんな感じ。
梓
  • アーモンド形の目
  • めくれた唇
  • 粗削りな感じだけど、力強い印象

 

飛鳥大仏
(飛鳥寺)

救世観音像
(法隆寺)

出所: 法隆寺「夢殿・絵殿・舎利殿・伝法堂・東院鐘楼」『法隆寺伽藍』
https://www.horyuji.or.jp/garan/yumedono/
(2025年1月1日確認)。

 

百済様式・中国南朝様式

一方、中国の南朝や、当時の韓国南部の百済から伝わってきたのが、百済・南朝様式。

特徴はこんな感じ。

有名なのが、弥勒菩薩半跏思惟像(みろくぼさつはんかしいぞう)。

梓
  • 丸みのある線
  • 柔和な表情
  • 写実的

 

弥勒菩薩半跏思惟像
(中宮寺)

出所: 中宮寺「本尊」『中宮寺とは』
http://www.chuguji.jp/archaic-smile/
(2025年1月1日確認)。

あ、大好きな仏像が出てきました、はてはて。

柔和という言葉がぴったりねえ。

何回読んでも名前を覚えられませんが、はて。

 

白鳳文化

時代は変わって、7世紀。

天武天皇や持統天皇の時代になると、仏教の力で国家を守ろうという「鎮護国家(ちんごこっか)」思想が生まれて、仏教の力が大きくなってくる。

 

仏像では、丸みとともに、量感も出てくる

梓

 

鋳造仏頭
(興福寺)

出所: 興福寺「銅造仏頭(旧東金堂本尊)(ぶっとう)」『寺宝・文化財』
https://www.kohfukuji.com/property/b-0034/
(2025年1月1日確認)。

教科書でインパクトのあった、頭だけの仏像ね、はてはて。

「丸み」ではさっきの弥勒菩薩と同じですけど、
「量感」となると、たしかにこっちはずっしりきますねえ。

この時代は、衣の感じも自然になってきているところも特徴の一つなんだ。
梓

薬師三尊像
(薬師寺)

出所: 法相宗大本山薬師寺「金堂」
https://yakushiji.or.jp/guide/garan_kondo.html
(2025年1月1日確認)。

 

飛鳥大仏
(飛鳥寺)

たしかに、こうして比べると、ざくっとしていた衣が細く丁寧になってますねえ。

 

天平文化

聖武天皇の時代を中心とする7世紀中頃までが、天平文化。

聖武天皇が奈良の大仏を建立したことに象徴されるように、この時代には仏教保護が更に進み、仏像表現も豊かになっていく。

複雑なポーズや微細な表情が更に進んでいくのがこの時代。

加えて、金銅像から塑像(そぞう)や乾漆像(かんしつぞう)へと変化していくんだ。

梓
塑像?

乾漆像?

これは……はて?

塑像は粘土を主材料としているので、柔軟で立体的な表現が可能になった。

対して乾漆像は、漆と布を使用した、軽量で耐久性のある像なんだ。

乾漆像は、

①土で全体を形作る「脱乾漆像」と、

②原型を木彫りで作る「木心乾漆像」の、

二つが存在する。

梓
塑像
脱乾漆像
木心(もくしん)乾漆像

出所: 薬師寺(2016)、pp.174-175。

 

塑像の代表例は、新薬師寺の十二神将像だ。
梓

十二神将像
(新薬師寺)

出所: 新薬師寺「十二神将」

十二神将


(2025年1月1日確認)。

 

一方、乾漆像の代表例は、興福寺の阿修羅像だ。
梓

阿修羅像
(興福寺)

出所: 興福寺「阿修羅像【八部衆】(あしゅらぞう)」『寺宝・文化財』
https://www.kohfukuji.com/property/b-0009/
(2025年1月1日確認)。

 

仏像って、どれも同じに見えてましたけど、こうやって比べてみると、時代ごとに違いがあるんですねえ。
次回は、この続きを見ていくよ。

木彫りの仏像の様式が出てくるんだ。

梓

 

まとめ

  • 飛鳥文化
    ①「北魏様式」:アーモンド形の目・めくれた唇・粗削りながら力強い
    ②「百済様式・中国南朝様」:丸みのある線・柔和な表情・写実的
  • 白鳳文化
    丸みと量感の増加・自然な衣の表現
  • 天平文化
    複雑なポーズと微細な表情・塑像や乾漆像の登場

参考文献

  • 薬師寺君子(2016)『写真・図解 日本の仏像 この一冊ですべてがわかる!』西東社。